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なぜ原発は推進されるのか⑥2/2

さらにおかしなことがいくつかあります。これは外国の政策の決定の仕方と比べるとよくわかります。アメリカとスウェーデンの例と比べてみましょう。


1)アメリカの例
 アメリカ政府のエネルギー需給見通しの報告書には
・詳しい内容を知りたいときの問い合わせ先が最初に書かれている。
・見通しの背景となった諸前提がきちんと数字で示されている。
・いくつかの前提を変えたケースの計算結果が載っている。
・民間機関の予測との比較がある。


という特徴があります。計算方法も諸前提もすべて公開されているので、
政党も含めていろいろな団体がエネルギー政策の代替案をつくることができます。実際にアメリカでは議会で議論し、政府案を大きく修正してエネルギー政策が決まっています。(市民エネルギー研究所「2010年日本エネルギー計画」ダイヤモンド社より要約)


2)スウェーデンの例
 
スウェーデンの政策の策定手順は以下の通りです。


「政府が諮問機関(さまざまな調査委員会)に案件を諮問し、その答申(報告書)を受けます。調査委員会の報告書はあくまで政府の立場でつくった報告書であるという認識です。平たくいえば、調査委員会の報告書は、社会の構成員である国民各層を代表する各団体からコメントを求めるためのたたき台となる共通資料です。

政府は政府の政策案を策定する前に、調査委員会の答申を政府の公式な報告書として公表すると共に、この報告書と同一のコピーを利害関係の異なる関係機関・団体(具体的には行政機関、産業界、労働組合、消費者団体、環境保護団体、その他の団体)に送付して、それぞれの機関・団体の立場からの文書による意見を求めます。

場合によっては、この報告書を隣接諸国に送り、相手国の意見を求めることもあります。それぞれの関係機関・団体から送られてきた調査委員会の報告書に対する意見を参考にしながら、政府は政策案を策定し、国会に提出して国会の審議に付し、国会の承認を得るという手順を踏みます。」(小沢徳太郎 著「今、環境・エネルギー問題を考える」ダイヤモンド社より)


以上の二つの例と日本の政策決定の手順を比べると大きな違いがあります。


(A) 日本の「長期エネルギー需給見通し」には、計算方法や諸前提などの詳しい情報が書かれていない。したがって、他の政党や団体が代替案をつくることができず、対等に議論すること ができない。
(
B) 日本の具体的なエネルギー政策(原発を何基つくるかなど)は、「長期エネルギー需給見通し」をもとにして決められますが、その「見通し」そのものは国会で議論されることはない。 つまり、調査会の委員以外の人が議論できる場そのものが設定されていない。



つまり、エネルギー政策の大前提について誰も意見を言うことができない仕組みになっているのです。何という官僚的で非民主的な仕組みでしょうか。本来なら、スウェーデンのように、なるべく多くの団体の意見を聞いてより良い政策をつくっていくのが民主主義ではないでしょうか。少なくともアメリカのように、情報を公開し、国会で議論するのが最低限のスジではないでしょうか。原発推進が止まらない最大の理由がこのあたりにありそうです。


匿名希望
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