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なぜ原発は推進されるのか⑥1/2

247758の続きです。なお、レイアウトの変更程度があります。


●政策決定に市民が参加できないから



日本のエネルギー政策はどこでどのようにつくられ、決定されているのでしょうか。多くの人は、国の大きな政策なのだから公平にきちんと審議されて国会で決定されていると思っているかもしれません。 この点について簡単に解説しましょう。


唐突な例ですが、業界の仲間内の利益を守るやり方の一つに「談合」というものがあります。「談合」という言葉は「いくつかの業者が公共事業の分担や落札価格などをあらかじめ話し合って決めておくこと」という意味に使われます。公共事業などの入札で「談合」がおこなわれたら、これはフェアプレーに反するので罪に問われます。

これと同じようなことが国の政策を決める時に、堂々と、法律に則って、公正さを装っておこなわれているとしたら、あなたはどう思いますか? 「今の日本でそんなことがあるはずがない」 と思いますか? (ただし、ここではもう少し広い意味で「事前に業者が話し合って利益を分け合うこと」という意味で使います。)

それはどのようにおこなわれるかというと、「諮問機関」とか「審議会」とかいう隠れみのを使う方法です。いきなり政治家や官僚が、ある業界に都合がいい政策を提案するのでは疑惑を持たれます。そこで「こういう審議会で公正な議論をしてこういう答申を受けたので実行します」という形式を踏むのです。本当に公正な審議をしてもらっては困りますから、決まった結論が出るようにメンバーを選びます。公正さを装うために反対派をわざと数人入れることもありますが、最後は多数決なので結論は変わりません。

こういう方法で政策をつくれば、政治家や官僚が悪者にされることもなく、公正さを装って一部の人に都合のいい政策を実行できるでしょう。これはエネルギー政策に限らず、公共事業など、今の日本のいろいろな場面に当てはまります。

日本のエネルギー政策のもとになる「エネルギー基本計画」と「長期エネルギー需給見通し」をつくっているのは「総合資源エネルギー調査会」という諮問機関で、経済産業大臣が任命した委員によって構成されています。現在(2004年8月)の「エネルギー基本計画」は、2003年4月から総合資源エネルギー調査会の基本計画部会で審議されました。その委員は27名でしたが、原子力について縮小論をとる委員はただ一人でした。その委員である九州大学の吉岡斉さんは審議会の審議の模様を次のように描いています。

「その審議の進め方は一言でいえば、『エネルギー一家』の家族会議のそれである。そこでは家長(資源エネルギー庁)が、家族構成員たち(エネルギー関連諸業界の代表者や代理人)の意見をひととおり聞き、その上で家族構成員の皆(石油業界、電力業界、ガス業界等々)が納得してくれるような裁定を下す」(「科学社会人間」No.88 [2004年]より)

 まさに上に述べた談合のようなことがおこなわれて、日本のエネルギー政策がつくられていることがわかるでしょう。本来なら、国民や公共の利益のため、望ましい将来の社会をつくるための議論をして政策を決めるべきですが、このような審議会にはそういう発想は全くないと言っていいでしょう。

しかも、このやり方の巧妙なところは、責任者が誰かわからない、つまり誰も責任をとらない無責任体制だというところです。そもそも日本では、ある政策をおこなった結果が成功だったか失敗だったかを評価するということがありません。本当は税金をムダにしないためにも、きちんと評価して、その反省を次の政策に生かすべきです。

しかし、それをおこなったら都合の悪い人がたくさんいるのでしょうか。評価そのものをする習慣がないし、国民もそれを許しています。つまり、税金が無駄に使われたかをきちんとチェックしなくても国民は怒らないのです。(住民監査請求という制度はありますが、国の政策の評価のシステムはありません。)

それもあって、これまで政策をつくった当人の責任を問われたということはありません。エネルギー政策も同じで、たとえ将来原発の大事故が起こっても、政策をつくった当人は誰も責任をとらないでしょう。


匿名希望
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