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電通@『日本/権力構造の謎』①~無敵の存在となった電通の戦略


『日本/権力構造の謎』(カレル・ヴァン・ウォルフレン著)リンクより362-369pから転載します。
引用元:『電通@『日本/権力構造の謎』』(カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記)リンク
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電通ほど一手に、直接、あるいは多数の下請けを使って大衆文化を作り出している企業体は世界中どこを探しても、ほかにない。万国博やローマ法王訪日時の準備など、主要イベントもこの会社が総合企画・演出の陣頭指揮に立つ。〔略〕

電通は、日本の全テレビ・コマーシャルの三分の一の直接責任者であり、ゴールデンタイムのスポンサーの割り振りに関して実質的に独占的決定権をもつ。〔略〕約120の映像プロダクション、400以上のグラフィック・アート・スタジオがその傘下にある。午後7時~11時の時間帯の番組にコマーシャルを出したい広告主は、電通を通すしかない。スポンサーの選定と放送番組の内容の大部分を電通が握っているからだ。

〔略〕日本では、扱い高が即、政治力になるので、電通はこうした役割〔事実上の編成局〕を演じられるのである。〔略〕

その結果、電通の影響力は日本のテレビ文化の内容まで左右し、世界中どこにも類例がみられないほど、強力なマスメディアを通しての社会統制になる。そして、このことには重大な政治的意味がある。テレビという麻薬が日本ほど見事に利用されているところは他にない〔略〕。皮肉なことに、NHKが、官界ともっとも直接的につながる局でありながら、リポーターが社会的な問題についての掛け値なしの疑問を投げかける、まじめな番組を放映することがある〔略〕。

〔略〕欧米諸国のたいていのテレビ番組が平均精神年齢11、2歳の視聴者に合わせているとすれば、日本のテレビ番組は平均精神年齢8、9歳に合わせている。日本で日々の娯楽の質を決定する上で主要な役割を果たしているのは電通であり、電通はほとんどすべてのものを最低レベルまで下げるのに成功している。頭の働きを鈍化させる芸能娯楽を作り出す機関は他の国にも存在するが、今ここでわれわれが検討しているのは、ほぼ完全に他者を締め出して、大衆文化の質の向上を抑制したり拘束できるだけの力を持つ組織のことである。

電通の広告扱い高は、日本の総広告費の約四分の一に当たる。大手新聞の広告の五分の一強、主要雑誌の広告のおよそ三分の一が電通扱いである。残りの四分の三を約3,000社の中小広告代理店が分け合っている。〔略〕

電通が、これほど無敵の存在になれたのはその人脈のおかげである。同社の社員採用方針でつねに目指してきたのは、テレビ界や出版界のトップ・クラスの管理者や幹部役員、および特別な広告主、プロの黒幕などの息子たちや近親者からなる人材プールを維持拡充することであった。〔略〕彼らを指して、大きなスポンサーと良好な関係を保つための「人質」だとは、電通のある役員がたとえ話に言ったことばである。

〔略〕電通出身者の落ち着き先〔天下り先〕の一つは、テレビ番組の人気度を評価する視聴率調査会社、ビデオ・リサーチ社である。〔略〕管理者たちに不評なテレビ番組を解除するのにも活用される。論争の的になる時事問題(たとえば、部落問題、文部省による教科書検定、税制など)を扱った『判決』という番組は、低視聴率という口実をもって、放送が打ち切られた〔原注〕。

電通は、消費者の追及から大企業を庇ったりもする。電通のある幹部は、アメリカの消費者運動活動家ラルフ・ネーダーを日本に招いた読売新聞が、電通の警告に応じて、同紙の予定していたネーダーについての二面抜きの特集記事を小さな記事に分割し、しかも調子を落としたと、スピーチで誇らしげに語った。また同じ頃、毎日新聞がこれも電通の指示のもとに、消費者運動についての記事を《穏当》なものに変えた〔原注2〕。電通は報道媒体に強大な圧力をかけ、電通のクライアントの名声に傷がつくような出来事は、報道させないか、報道に手心を加えさせることもできる。1955年、森永乳業の砒素入りミルクについてのニュースを電通が統制したケースは有名である。また、1964~5年には、大正製薬が製造した風邪薬を飲んでショック死した人々についてのニュースを、電通が検閲し内容を変えさせた。〔略〕

電通が報道関係を巧みに検閲できるのは、財政的な力に起因するだけではない。1936年から45年まで独占的な政府の宣伝機関だった同盟通信社と一体だったこと、また、どちらも戦時中の同盟通信社の末裔である共同通信社と時事通信社という、日本の二大通信社とひじょうに緊密な関係にあることにも起因する。このつながりは株式の相互持ち合いによって強化されている。共同が扱うニュースについては、つねに電通に情報が入る。〔略〕
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続く

猛獣王S
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