fc2ブログ

プーチンが指摘する「嘘の帝国」


リンクより

***
プーチンは同じ24日の演説のなかで、「アメリカの政治家、政治アナリスト、ジャーナリストは、近年、アメリカ国内で正真正銘の「嘘の帝国」(империя лжи)が創設されたことについて書き、語っている」という指摘をしている。それにつづいて、「これに同意しないわけにはいかない--そうなのだ」とものべた。さらに、つぎのように語った。

 「米国は依然として偉大な国であり、システム大国である。その衛星のすべては、おとなしく従順にそれに従うだけでなく、あらゆる場面で一緒に歌い、その行動を真似(まね)し、提供されたルールを熱狂的に受け入れている。ゆえに、米国によって自国の姿に似せて形成された、いわゆる西側ブロックが全体として同じ「嘘の帝国」であると自信をもって言えるのである。」

 この発言部分に対して、西側メディアは猛反発しているようにみえる。しかし、彼らが怒れば怒るほど、実はこの指摘が的を射ていることに気づかなければならない。

 東京新聞の「ウソをつくと鼻がニョキニョキと伸びてしまうのはピノキオだっ…」という記事を紹介しよう。

 その冒頭は、「ウソをつくと鼻がニョキニョキと伸びてしまうのはピノキオだったが、人間にもやはりウソをつくことで悪い影響が出るらしい」ではじまる。そして、「西側の非難にも耳を貸さず、ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領である。この数日間、この大統領とその周辺からいったい、いくつのウソが発せられたことか」といった記述もある。「嘘の帝国」への言及はないが、おそらく「嘘の帝国」部分に過剰反応しているようにみえる。「嘘を数々ついてきたプーチンに「嘘の帝国」だとは言わせない」といった感情的な反発が透けてみえる。

 だが、優秀なジャーナリストであれば、決してこんな子どもじみた反応を示さないだろう。

 プーチンが話題にしたのは、2008年に刊行されたアンドリュー・クラヴァン著Empire of liesである。残念ながら、筆者はこの本を読んでいない。そこで、ウィキペディアに頼らざるをえない。そこでの説明には、つぎのように書かれている。

 「本書は、主人公であり語り手であるジェイソン・ハローが、精神を病んだ母親の死と、自分の前世の結末の両方に向き合うスリラーである。その過程で、彼はニューヨークでイスラム教徒のテロ計画の証拠に遭遇したと信じるようになるが、その計画が本当なのか、自分が母親のように狂っているのか、しばしば疑念を抱くようになる。ハローは自分の道徳的弱さに何度も悩むが、政治的には保守的なキリスト教徒であり、陰謀の疑いを晴らすために、警察、芸能界、学界、報道機関、つまり本書のタイトルにある「嘘の帝国」と対立することになる。」

 つまり、「嘘の帝国」とは、米国政府を指しているわけではなく、「警察、芸能界、学界、報道機関」による既存権力を堅持するシステム全体を指しているのだ。そう、プーチンの指摘は実は、少なくとも部分的には的を確実に射ていないか。その証拠に、西側のマスメディアのほぼすべてが2014年2月21日の協定を無視し、2022年2月24日のプーチン演説をまっとうに議論することさえないように思える。

***

(山澤貴志)
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)