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韓国エンタメの大ヒットは脱国営支配と攻撃的な欠乏

昨今、アイドルでも映画でも、ドラマでも韓流が世界中で大ヒットをしている。
5年位前までは韓流と言えば時代劇的なドラマを日本のおばちゃん達が好んで見ていた位のムーブメントだったと認識しているが、今では世界中の人達が注目し、韓国と言えばエンタメ大国になっている。

その背景はなんだろう?

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韓国は長い間、画期的な文化の輸出がないことを不満に感じてきた。何十年もの間、韓国の評判はヒュンダイやLGなどの自動車や携帯電話で決まり、映画やドラマ、音楽はそのほとんどが国内向けに消費されてきた。

が、今では、BLACKPINKのようなK-POPスター、ディストピアドラマ『イカゲーム』『パラサイト 半地下の家族』のような国際的な評価を得た映画が、サムスンのスマートフォンのようにどこでも見られるようになっている。

「Netflixのような巨大なストリーミングサービスがテレビ番組の配信に革命をもたらしたとき、私たちには競争に参加する準備ができていたのです」

韓国のコンテンツ産業の規模は、半導体などの主要な輸出品に比べればまだまだ小さいものだが、その影響力は計り知れないものがある。9月、オックスフォード英語辞典には「韓流」をはじめとする韓国語由来の単語が26語追加された。北朝鮮は、K-POPの侵略を「悪質ながん」と呼んでいる。中国は、K-POPファンのアカウントが「不健全」であるとして、ソーシャルメディア上で数十個のアカウントを停止した。

韓国が文化的な大国としての力を発揮しているのとは対照的に、中国では政府が主導して同じような働きかけを行っているが、その効果は見られていない。

韓国ではアーティストを検閲しようとする政府の動きはあまり活発ではない。それどころか、政治家は韓国のポップカルチャーを推進し始め、一部の男性ポップアーティストに徴兵制の延期を認める法律を制定した。今月、当局はNetflixがソウルのオリンピック公園に巨大な『イカゲーム』の像を設置することを許可している。

この爆発的な成功は一夜にして起こったものではない。『イカゲーム』がNetflixで最も視聴されているドラマになり、BTSが国連で演説やパフォーマンスを行うずっと前から、『冬のソナタ』のような韓国のテレビ番組や、BIGBANG(ビッグバン)や少女時代のようなバンドは、アジアや世界の市場を制覇していた。しかし、今回のように世界的な広がりを見せるには至っていなかった。PSYの「江南スタイル」は短期的な影響に終わっている。

年間数十本のテレビ番組を制作している韓国最大のスタジオドラゴン(Studio Dragon)のCEO、キム・ヨンギュ氏は「私たちは物語を語るのが好きで、そして語るべきいい物語を持っています」と語る。「しかし、われわれの国内市場はあまりにも小さく、飽和しています。私たちは世界市場を目指す必要がありました」。

昨年、貧富の差をテーマにした映画『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞を受賞してから、海外の視聴者は韓国に注目するようになった。しかし、同国では何年も前から同じようなテーマの作品は作られていた。

Netflixが登場する以前、韓国のテレビ業界は一部の国営放送局が支配していた。しかし、これらの放送局は、ストリーミング・プラットフォームやスタジオドラゴンのような独立系スタジオに取って代わられ、これらはクリエーターに国際市場をターゲットにするのに必要な資金と、創作表現に関する自由を提供している。

韓国の検閲官は、暴力的な内容や性的に露骨な内容を含むメディアを審査するが、Netflixの番組は、地元のテレビ局で放送されるものよりも規制は緩い。クリエーターたちは、国内の検閲制度のおかげで、より深く想像力を働かせ、一般的なものよりもはるかに魅力的なキャラクターやストーリーを作ることができた面もあると言う。

シーンには感情豊かなやりとり、つまり「シンパシー」があふれていることが多い。主人公はたいてい、深く傷つき、絶望的な状況に追い込まれた普通の人々で、愛、家族、他人への思いやりといった共通の価値観にしがみついている。監督やプロデューサーは、すべての登場人物が「人間のにおいがする」よう、意図的にしているという。

韓国は、戦争、独裁、民主化、そして急速な経済成長を体験したことで、人々が何を見たいか、何を聞きたいかをクリエーターが敏感に察知するようになり、それは多くの場合、社会の変化と関係していた。国民的大ヒット作品の多くは、所得格差やそれが生んだ絶望、階級間の対立など、庶民の心を揺さぶる問題を題材にしている。

K-POPアーティストが政治について語ることはほとんどないが、彼らの音楽は韓国の活発な抗議文化の中で大きな存在感を示している。ソウルの梨花女子大学の学生が、2016年に全国的な反政府運動につながったデモ活動を始めたとき、少女時代の「Into The New World」が歌われた。男性アイドルグループg.o.dの「One Candle」は、パク・クネ(朴槿恵)前大統領を退陣に追い込んだ「ろうそく革命」の非公式なアンセムとなった。

韓国の若者文化に関する本の著者であるイム・ミョンムク氏は語る。「韓国のコンテンツの圧倒的な特徴は、その戦闘性にあります。それは、人々の上昇志向への欲求不満、怒り、大衆運動への動機などを表現しています」。
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(おぬこ)
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