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"無敵"GAFAが「中国テックに負ける」

以下(リンク)引用
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●リアルを制する者が勝者になる
フェイスブック(現メタ)は、メタバースをビジネスに使えるようにすると表明しています。しかし、それが本当に普及するかどうかは、慎重に考えなければなりません。

ヘッドマウントディスプレイを装着すると、周囲が見えなくなります。その状態で1日中、仕事をしていられるのか。さらに、その中で会議をしたり、ドキュメントやスプレッドシートを共同編集したり、動画を編集したりする必要がありますが、そのような技術は現状ありません。

PCでできる作業をメタバースに移すだけではなく、メタバースでしかできない作業を見いだす会社が今後出てくるかどうかという点もあります。

GAFAは、インターネット空間の勝者となりましたが、その先は、リアル空間を制するものが、次世代のビッグテックになるのではないでしょうか。

エアビーアンドビーのブライアン・チェスキーCEOは、メタバースがリアル空間をのみ込むことはない、リアル空間で新しく、より生活が豊かになるテックを生み出した企業が勝者になるだろうと言っています。僕も賛同しますね。

GAFAは、リアル空間すべてにコミットしようとしています。アップルウォッチ、スマートスピーカー、自動運転のアップルカーなどもあります。なんとかしてリアル空間という主戦場に食い込もうとしているわけです。

本書の中で面白い指摘は、ネットフリックスは、いい線まで来ているけれど、リアル空間への食い込みが足りないから、スピーカーメーカーのソノスと、音楽配信のスポティファイを買収しろと言っているところです。「いかに家庭の中に入るか」が今後の課題ということですね。

アマゾンは、スマートスピーカーによって先んじてリアルに入り込みました。ただ、タブレットやスマホには参入したものの、失敗し、垂直統合ができていません。

一方、アップルは、ハードウェアもアプリのストアも持ち、チップも作っていて、垂直統合がしっかりできています。ただ、アップルユーザーにとっては平和で幸せな世界なのですが、アップル圏外の人々にはまったくリーチできていないという欠点があります。

GAFAも完璧ではないわけです。まだまだ始まったばかりという状況です。

●プライバシー規制はテックの発展を阻害する
テック企業の発展には、課題もあります。プライバシー規制です。

サービスの利用者を単なる商材として扱い、プライバシーデータを商品として一方的に外販されることには、強い批判が起きています。

ただ、プライバシーと言っても、アマゾンのレコメンドなどを批判する人はあまりいません。自分にメリットがあるからです。同様に、ヘルスの場合も、自分にフィードバックがあれば、あまり抵抗がないかもしれません。

アップルは、プライバシーに配慮してデータは収集しないと宣言しています。ただ、それで勝ち続けられるのかどうかはわかりません。

僕は、プライバシー規制をやりすぎると、アメリカのテック企業の凋落を招く可能性があると思っています。AIは、データがなければ進化しません。

自然言語を処理して文章を作成する「GPT3」というプロジェクトがあります。AIには膨大なデータを読み込ませますが、「GPT3」の場合、その対象データがインターネット全体なのです。

非常に高度で複雑なAIで、例えば、「ハリーポッター調の文章で、ハードボイルドミステリーを書いて」と指示すると、そのようなものが書けてしまうというものです。

データが大きければ大きいほどいいのが、AIです。そして、AIは、農業、電気、エンジン、スマホなどに匹敵する汎用技術です。今後、強大な産業革命の基盤となる技術なのは間違いありません。データをこれ以上集めてはいけないとなると、かなり厳しいでしょう。

ヨーロッパにも、GDPR(一般データ保護規則)というデータ規制法があります。日本よりもデータ収集に対して厳しく、後ろ向きです。

しかし、中国は違います。国家が先んじて、国民のデータを集めているほどですから、中国のAIばかりが進化して、アメリカやヨーロッパが置いていかれるという構図になりかねません。

中国は、国外市場を気にしなくても、国内だけでビジネスが成立します。ファーウェイもアメリカから制裁は受けましたが、国内だけで十分やっていけるので、実は業績が向上しています。

中国の人々は、監視社会を受け入れてもいます。文化大革命など、社会の信頼を破壊する時代が続いたことで、これまでは、目下の金儲けのために人々を騙すということが平然とまかり通っていました。

ところが監視社会になり、あらゆる場所に監視カメラが取り付けられ、その人の行動がインターネット上で評価されることになりました。その評価が実生活にも影響を与え、人々は善行を積むしかなくなり、悪さをしなくなっています。

こうなると、今後のAIの進化は中国が中心になる可能性もあります。テックの発展とプライバシー保護は、トレードオフになっています。このジレンマをどうクリアするのかは、難しい問題です。

●日本のテック企業はどう戦っていくべきか
日本でも、かつてはテック企業をどう育成するかが課題でしたが、2010年に入った頃から、誰もそれについて言わなくなりました。

楽天、サイバーエージェント、ライブドアなどが登場した当時、彼らは巨大プラットフォーム企業を狙っていました。しかし、今は「GAFAがいるから無理だ」となり、そんなプラットフォームを狙う起業家はいません。

話題は「海外大手ネット企業とどう付き合うのか」ということになり、SNSも、以前はミクシィなどがありましたが、今はすべて外資です。

「ウェブ2.0」と言われていたものを、アメリカのネット企業にとられて牛耳られた結果、成長機運はモバイルゲームへと向かいました。ソシャゲは、貧困ビジネスとも言われますが、とても儲かったわけです。

起業家は、いくら稼いでいるかという話しかしなくなりました。以前は、「世界を変えよう」と語る人がいたのですが、夢がなくなって、それしか言えることがないということでしょう。

巨大テック企業を独禁法違反で分割するべきだという主張もありますが、そうなれば、日本からも再び、プラットフォームを狙う企業が出てくるかもしれません。
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以上

(真鍋一郎)
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