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Google 検索は“中立的”ではない:世界各地で異なる検索結果を見せる「Search Atlas」のメッセージ

Google 検索は“中立的”ではない:世界各地で異なる検索結果を見せる「Search Atlas」のメッセージ
(リンク https://wired.jp/2021/07/28/tool-shows-google-results-vary-world/ )より転載

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世界各地で異なる「Google 検索」の検索結果を並べて見せるツール「Search Atlas」が、このほどプライヴェートベータ版として限定公開された。このツールが明らかにするのは、グーグルの検索技術がウェブページをランク付けすることで創出された「情報の境界」だ。それと同時に、居住地域や使用言語が異なる人々が触れるさまざまな現実の断片が示されている。

グーグルは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という使命を掲げている。この使命は「客観性」というオーラをまとっている。

だが、インターネット検索におけるグーグルの優位性と、競合サーヴィスがほとんど存在しない状況を考えれば、「Google 検索」はそれ自体が権威のように見えるだろう。こうしたなか新たに登場した実験的なツール「Search Atlas」は、Google 検索の結果の中立性という覆いをはぎ取ろうとしている。

(中略)


■検索エンジンは「中立的」ではない

Search Atlasを使ったとしても、Google 検索で世界が異なって描写される原因はわからない。多額の金銭が絡む検索アルゴリズムの詳細は極秘だ。グーグルは地域や言語、ユーザーのアクティヴィティに基づいて検索結果をどう調節しているかについて、ほとんど何も情報を公開していない。

Search Atlasの共同開発者のイーは、グーグルが特定の結果を表示する(もしくは表示しない)理由が何であれ、同社のもつ力は見過ごされがちだと指摘する。「ユーザーは検索エンジンに、ほかの人には絶対に聞かないような質問をします。そして、Google 検索でたまたま目にしたものが人生を変えてしまうこともあるのです」と、イーは語る。「それは『中絶はどうやってするのか』といった質問や、最寄りのレストランへの行き方、選挙投票の申請手順、ワクチン接種に関する検索かもしれません」


『WIRED』US版による独自の調査でも、近隣国でも最新のニュースについてまったく異なる情報が示される場合があることが確認できた。

例えば、エチオピア北部のティグレ州で起きている民族紛争についてSearch Atlasで調べてみた。すると、Google 検索のエチオピア版では、紛争の解決を求める欧米諸国からの外交圧力を批判し、米国などの各国がエチオピアの弱体化を狙っていると指摘するブログ投稿やFacebookのページが表示された。一方、隣国のケニアや米国からの検索では、事態を説明するBBCや『ニューヨーク・タイムズ』などの報道が結果の上位に出てくる。

検索エンジンが中立的ではないことを指摘したのは、オチガメとイーが初めてではない。彼らのプロジェクトは、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)のCenter for Critical Internet Inquiryの共同創設者で共同ディレクターのサフィヤ・ノーブルの研究に触発された部分があるという。

ノーブルは18年の著作『Algorithms of Oppression』において、「黒人」「ヒスパニック」といった単語でGoogle 検索をすると、社会的に疎外されている特定の集団に対するバイアスを助長するような結果が出てくるという問題を掘り下げている。ノーブルは今回のプロジェクトについて、より多くの人に検索エンジンの本質を説明する手段になりうると考えている。「検索エンジンがなぜ民主的ではないかを可視化することは、非常に難しいのです」と、彼女は言う。

■Google 検索以外の選択肢

インターネット検索など、すでに過去の時代の技術のように感じられるかもしれない。だがノーブルは、検索における複雑な問題にスポットライトを当てることは、これまで以上に重要になっていると指摘する。これはグーグルによる市場の独占に加え、ソーシャルメディアの偏りと比較すればネット検索がまだましに見えてしまうからだ。

グーグルが近い将来に検索市場における支配的な地位を失う可能性は低いが、ノーブルは楽観的になっていい理由があると考えている。プライヴァシー保護を重視する検索サーヴィス「DuckDuckGo」のユーザー数が増えているが、これはGoogle 検索以外の選択肢を受け入れることをいとわないネットユーザーもいることを示唆しているからだ。

また、政策立案者や一般市民の間でも、オンラインプラットフォームの取り締まりを強化し、公益で貢献できるような代替サーヴィスを支援する方法を模索することへの関心が高まっている。「こうしたことを呼びかける研究者のコミュニティが存在し、財団や政府との協議が進んでいます」と、ノーブルは語る。




紀伊谷高那
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