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自滅に向かうメディア-2(吉田繁治氏)

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2021年2月 14日<Vol.1138:メディア論と、2020大統領選挙問題の本質>より、一部抜粋
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■4.切り取り編集の、最も新しい事例(日本のメディア)
今回の森元首相(五輪組織委員長)の件でも、女性差別と非難している日本と米欧のメディアにこれが見られます。今回のスピーチでは、発言の文脈(全体がもたらす意味)は無視し、「女性の会議は長くなるという人もいるが」・・・の中から「女性の会議は長くなる」という部分を切り取っています。森喜朗氏は、菅首相と違い、元来、不用意な発言の多い人です。この発言を、「(オジサン族と)森氏が本質として持つ、女性の不当な抑圧だ」として、オリンピックの精神に反するものとして書いています。仮にオリンピック精神に反することが理由なら、明らかに人権に反するウイグル族の文化的矯正、弾圧、収容施設がある中国が、2022年の北京冬季オリンピックを開くことはできない。米国は1月にジェノサイドとまで言っています。オリンピックの精神は、二重基準でしかないようです。
「発言の一部切り取り」は、フェイクニュースの基本方法です。スピ─チは事実ですが、都合いい発言の部分を切り取って報じれば、それはフェイクになります。メディアの取材を受けた人は、「あれ、これは自分の言ったこととは違う」と感じることが、しばしばでしょう。実際は、森喜朗氏は、その内輪でのスピーチで、逆に、「ラグビー協会の理事には5人の女性を入れた」ということを結論として述べています(スピ─チの全文の事実)。「女性蔑視」ではない。
文脈を無視した片言隻句(へんげんせっく)を、意味を逆にして非難する世の中は、変なところまで来てしまった。

大きく言えば、毛沢東が紅衛兵を扇動し「資本主義者」というレッテルを貼って行った、集団リンチの文化大革命(1966~76年)に似ています。大袈裟には、共和国の民主主義の中に、ヒトラーのナチスが登場したときもこれでした。国民の意識を支配する「空気」を作る。扇動によって、独裁の政治思想が、反論を言う者を抹消していく全体主義になった(天才的だったゲッペルス宣伝相の役割)。中間層とインテリ層も主流メディアから扇動されます。政治家の活動、海外の政治という直接経験が及ばない世界は、メディアで知るしかないからです。

偏向が、日々激しくなってきたCNNでは、選挙不正はなかったとする反共和党の学者や政治家を登場させ、「CNNの見解ではありませんが・・・」と示すために「意見を言わせる場を与えています」。意に染む専門家とされる人に言わせる方法を使うのは、日本のメディアも同じです。2時間、NEWSショーを見るとはっきり分かります。頻繁に登場する、同じ専門家(左派、右派に偏った思想の持ち主が混じっています)は、局の編集方針を忖度(そんたく)し、意見を述べています。

最近の日本のTVでは、専門知識があるとは思えない芸能人の登場が多い。これは、「皆さんと同じ知識、認識での判断」と、局が示すための、大衆化社会の演出です。NEWSショーに、芸能人が多数登場するのは、日本のメディアしかもたない特徴です。以前、米国のソープドラマに、観客の声を作って入れるものがありましたが、あれと同じ方法です。youtubeでは視聴者の、Yes、Noの反応です。この方法で、間接経験しかない世論と大衆の意識を、局の方針の方向に誘導していくのです。コロナ報道でも、頻繁に見られます。つまり間接世界の報道を事実と見る国民の意見を、記事と映像を使って誘導しています。近代メディアが、最初、日刊新聞として登場した19世紀から変わらず、約200年続いています(部分の拡大がメディアの本質です)。とくに、中国が台頭した2000年ころから、激しくなりました。

■5.一時はあった両論併記は、消えた
1990年代には、経済論や株価論で「見解の違う両論併記」の方法が、部分的にとられましたが、現在は、消えています。購読者数と広告が、共通に、約半分に減ってきたことが理由です。紙面維持ができなくなってきたのです。

日刊紙に約10年先駆けて、専門的なものもあった月刊雑誌(総合雑誌)の70%くらいが、売上不振で破産して消えました。読者世代では、月刊雑誌の記事と論文が、増えた65歳以上を取り込めず、40歳以下は、インターネットのSNSに変わっていったからです。残った雑誌も、価格は数10%上げ、ページ数が1/2くらいに減っています。情報の販売価格が約3倍に、著作権料は1/2になったのです。約20年続けて、雑誌に書いているので、この辺の事情は、著者として、よく知っています。

主流派のメディアは、今、自滅の最中でしょう。宅配に支えられた日刊新聞も、単独採算なら、5年の命でしょう。多角化した不動産事業で、息をしているのです。雑誌には不動産事業がなかったので、日刊紙より10年早く消えました。
NYタイムズで成功したWEB新聞に、移行する動きはあります。しかし日本では、毎朝自動的に届く宅配に支えられていたため、明らかな記事のつまらなさ、記者の、テキスト作成の力量の低下があり、WEB新聞は、現在の記事水準のままなら、成功しません。これは、断言ができます。
他方youtubeには、探す手間はかかりますが、水準の高い記事・情報もあります。ただし編集を経ていないので、真偽の判定には、自分の経験からの判断力が必要です。しかし実際は、数か月回数を重ねたものには、フェイクはない。偽物の記事は、視聴数が少なくなって、1か月くらいで消えるからでしょう。


匿名希望
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