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電通の祭典と化す東京五輪 主人公をはき違えていないか?③

長周新聞より転載です
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電通の祭典と化す東京五輪 主人公をはき違えていないか?
政治経済2019年1月17日
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(②のつづき)
■11万人のボランティア 若者を無償労働に駆出す

 さらに問題なのは、組織委員会が東京五輪実施のために11万人のボランティアの募集を開始したことだ。ボランティアの応募条件には「1日8時間、10日以上従事できる人」「組織委員会が指定するすべての研修に参加できる人」「大会の成功に向けて最後まで役割をまっとうできる人」などを挙げ、会場までの交通費や遠方から参加の場合の宿泊費は自己負担としている。

 これは災害ボランティアと違って自主的なものではなく、しかも五輪自体が営利目的なのは明らかで、善意の若者を無償労働に駆り出すのを「ボランティア」と偽っているにすぎない。

 応募まかせではとても足りないと見た組織委員会は、学生をターゲットに絞り、全国800以上の大学と連携協定を結んだ。そして、ボランティア教育という授業をおこない、五輪ボランティアに参加した学生には単位を与えるとりくみを促している。外国語大学では通訳ボランティア育成セミナーを開催して学生を送り込もうとしているが、街角での道案内ならまだしも、五輪の管理運営業務にかかわる翻訳や通訳をボランティアにやらせるなど通訳軽視もはなはだしいと批判が巻き起こっている。

 さらに、薬剤師という国家資格保有者に対して、選手村にもうけられる総合診療所のスタッフとして、10日以上すべて無償で協力せよという募集メールが発信されたことが話題になった。ドーピング検査をはじめ、各国の選手たちの健康に重い責任を持たねばならないはずの人材にすら無償労働を求めたのだ。

 東京五輪はそもそものはじめから、「福島原発事故は完全にコントロールされている」という安倍首相の嘘から始まった。こうして嘘に嘘を重ねたあげく、一方にオリンピックにまぶりつくスポンサー企業や米国三大テレビネットワーク、建設工事を一手に引き受けるゼネコン、JOC・組織委員会や黒幕としての電通、そして安倍政府がおり、他方に無償労働を提供するボランティア、犠牲を転嫁される選手や観客がいるという構造が浮き彫りになっている。前者の連中がやっている国家の私物化の規模は、モリ&カケどころではない。

 2015年5月、サッカー・ワールドカップの開催地招致をめぐり、アメリカ司法省が国際サッカー連盟(FIFA)副会長を含む14人を贈収賄の容疑で起訴したことがあった。当時のFIFA会長、ゼップ・ブラッターはFIFA倫理委員会から資格停止処分と罰金処分を受けた。そして、スポンサー企業からサッカーにカネが流れ込む仕組みをつくったのが、ブラッターの前任のジョアン・アベランジェであり、両者を支えたのが電通だったことも暴露されている。FIFAの膨張と歩調をあわせるかのように電通が巨大企業にのし上がっていったと、ノンフィクション作家が書いている。

 メディアは今回の東京五輪疑惑を「ゴーン逮捕の意趣返し」などと騒いでいるが、目先の騒動の陰で巨悪が暗躍し、スポーツを食いものにしていることを見逃すことはできない。

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(転載終わり)


孫市
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