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分散型国土確立しパンデミックと戦う(藤井聡 京都大学教授)②

JA.com より転載です。
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藤井聡 京都大学教授 分散型国土確立しパンデミックと戦う【衝撃 コロナショック どうするのか この国のかたち】
2020年5月18日

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(①のつづき)
◆弱毒性ウイルスが大打撃与える

コロナは新型であるがゆえに未知のことが多いと言われたが、それでも既に400万人以上の感染者が報告されている今日までに、多くのことが明らかになってきている。中でも明白になってきているのが、その「毒性」である。
そもそも、SARSやMERS、エボラ出血熱、さらにペスト等は感染した場合に亡くなってしまう致死率が、7~8割に達するウイルスである。それらは明確に「強毒性」と呼ぶべきウイルスだ。一方、コロナの場合は当初から致死率は2~3%程度と言われていたが、全ての感染者を母数にした場合はその数分の一から数十分の一程度になると言われている。従って、コロナは明らかにSARSやMERS等に比べれば「弱毒性」と呼ぶべきウイルスなのだ。
しかも、若年層に限ればさらに致死率は低く0.1%をはるかに下回る水準にあると推定される。季節性のインフルエンザでも人命が失われることがあるが、とりわけ若年層に着目すれば、少なくとも致死率の点で言えば両者の間に大きな差があるとは言えない。というよりもむしろ、インフルエンザの方が致死率が高いということになる。
ちなみに、肺炎は世界で年間4億5000万人が発症しており、400万人が死亡していると報告されている。つまり、肺炎になった場合の致死率は約1%ということになるが、肺炎と比べてみてもコロナがとりたてて「強毒性」のウイルスと言うことは困難なのである。
つまり、日本も世界もインフルエンザとの毒性についての差異が明確ではない弱毒性のコロナウイルスによって、経済・社会が激しく傷付けられてしまったのである。
仮の話であるが、これが20世紀半ばであったなら各国政府はここまで激しいロックダウンなり、8割自粛要請などといった極端なことはしていなかった可能性は十分考えられる。当時はまだPCR検査がないため、コロナに感染している人々を見つけ出すことができない以上、通常の「コロナウイルス」と同じ扱いを受けていた可能性がある。そうであったとしても、上述のように肺炎で毎年400万人の命が失われているのであるが、その数がコロナのせいで「増加」した可能性はあるだろうが、そうでない可能性も十分に考えられる。


◆あらゆる手法使い実態明らかに

藤井聡例えば、今日時点でコロナ感染死が約30万人と報告されているが、新型コロナの流行がなくてもそれ以外の通常の風邪やインフルエンザが契機で肺炎になり、命を失う方も毎年残念ながらおびただしい数に上る以上、今年だけが(スペイン風邪流行時のように)急激に死者数が増加していたとならない可能性が、現時点においても考えられるのである。
日本に限定して考えても、毎年肺炎で亡くなる方が9万~10万人程度おられ、毎年1万~2万人程度は増えたり減ったりしている。そういうスケール感で考えるなら、5月時点でのコロナ感染死者数700人強という数字は、小さな誤差程度の水準に収まっていると解釈することもできる。一人一人の人命はかけがえのないものであるが、コロナ以外の理由で肺炎になって亡くなる方の命もまた貴重であることは間違いないのである。従って「コロナだけ」を見るのではなく、「肺炎」や「全ての感染病」を見据えたマクロな現状認識が必要なのである。
以上を踏まえると、日本も世界も一昔前なら何もパニックに陥ることもなかった季節性インフルエンザ程度の弱毒性ウイルスに対して「過剰反応」してしまい、「ロックダウンだ、8割自粛だ」と言って経済を激しく傷付けてしまった可能性も十分考えられるのである。もしそうであったとすれば、これは世界中が愚か極まりない判断をしてしまったということになるのであり、言うまでもなく由々しき事態と言わなければならない。
では実態はどうだったのか。一般的な疫学的分析手法を使い、今年の肺炎死者数や病死者数全般が統計的有意にコロナによって「増加」しているのか否か速やかに明らかにしていく必要がある。
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(③につづく)
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