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国際的な研究により、新型コロナウイルスは「332種類のヒトタンパク質」を利用してヒト細胞と結合できる驚異的な感染能力を持つことが見出される。治療薬開発は厳しい局面に

リンクより

◆次々と明らかになる驚異的な能力

以前、新型コロナウイルスについて、通常のウイルスとは異なり、このウイルスは「複数のヒトの細胞内の受容体を使って感染できる」という、とても高い感染能力を備えていることが、公開されている複数の論文で明らかとなったことについて以下リンクの記事に記したことがありました。

ここでは、「 3種類の受容体に感染できる」ということをご紹介しました。具体的には、3月中旬くらいまでの研究で、新型コロナウイルスは、

・ACE2という受容体を利用して細胞と結合できる
・フーリンと呼ばれる酵素を介して細胞と結合できる
・GRP78という受容体を利用して細胞と結合できる

という能力を持っていることがわかっていました。また、以下リンクの記事でご紹介しましたように、この新型コロナウイルスは(人為的に組み込まれたのではなく、あくまで自然進化の中で)「エイズウイルスと同様のタンパク質を 4カ所持っている」ことが判明し、それにより感染能力が大変に高くなっていることがわかっています。

複数の感染経路を持っているということは、「より感染しやすい」ということになりますが、これだけでも「すごいものだなあ」と思っていたのですが、最近公開された論文により、それどころではない能力を持つ可能性があることが示唆されたのです。

◆新型コロナウイルスは 332 種類の細胞内のタンパク質を利用して結合できる

それは、「新型コロナウイルスは 332 種類の細胞内のタンパク質を利用して結合できる」ことを示唆した衝撃的な研究でした。

この論文を最初に紹介していた、タイランド・メディカルニュースの記事をご紹介します。


●SARS-CoV-2 ウイルスは332個のヒトタンパク質を標的とし、さまざまな結合部位を持っている。そして40の新薬候補が特定されたリンク

医学、ゲノム、生物学分野の国際的専門家たちの主要な共同研究により、SARS-Cov-2 新型コロナウイルスは、すでに見出されていた ACE-2 受容体を含む 4つの結合方法だけではなく、 332 のヒトタンパク質を標的とすることができることが判明した。

新しい研究は、新型コロナウイルスが、人類がこれまでに経験した中で最も強力なウイルスのひとつとして説明できることを示している。ウイルスのゲノムの構造と、これがヒトのさまざまなタンパク質と相互作用する方法の分析により、研究者たちは、COVID-19 の治療に使用するために再利用できる 40 の新薬も特定した。

研究の結果は、複雑な数学、物理学、およびコンピューティングを利用するネットワークサイエンスに基づく感染ダイナミクスのモデリングツールに由来している。新しいツールセットは、COVID-19 を引き起こす新型コロナウイルスが細胞に侵入した後の、ヒト細胞内のタンパク質の動作をマッピングした。

研究者たちが、他のヒトウイルスを研究するために 2012年に最初に研究グループと共同で開発した AI モデルは、SARS-CoV-2 が脳内の細胞を攻撃する可能性があることも予測した。この発見は、報告書が述べているように、初期の COVID-19 の症状には、嗅覚や味覚の喪失が含まれているという最近の報告を説明するのに役立つ可能性がある。

新型コロナウイルスがは、体内に入った直後にヒト細胞を乗っ取り、ウイルス複製マシンを再構築する。これは、コロナウイルスのすべての株が持ち、太陽のコロナの形状をしたスパイクタンパク質に依存している。これらのウイルスのタンパク質が、健康なヒトの細胞のタンパク質と結合すると、ヒト細胞内の基本的な機能を破壊し、何百万ものウイルスのバージョンの複製を始める。

ウイルス感染のモデリングの最初のステップは、SARS-CoV-2 がどのタンパク質を攻撃してヒト細胞を乗っ取るかを理解することだった。その結果、研究者たちは、これらのタンパク質が 332 あると報告した。研究者たちのツールセットは、コロナウイルスが標的とする 332 のタンパク質のそれぞれの働きをモデル化し、これらのタンパク質が細胞内で発動して、新型コロナウイルスの症状を引き起こす可能性があるメカニズムを予測した。

そして研究者たちは、最良の治療薬剤の候補は、 SARS-CoV-2 が最初に攻撃するタンパク質を標的とするものではなく、おそらく、同じ細胞内近傍で機能するものだろうと述べている。「現在市場に出ているほとんどの薬剤は、細胞のタンパク質自体を直接ターゲットにしていません。ウイルスが標的とするタンパク質がわからないため、阻害するための薬剤を見つける知識が今のところ十分ではないため、細胞内ネットワークの近傍のネットワークを十分に理解する必要があると考えられます 」

ハーバード大学医学部の生物医学情報学の助教授であるMarinka Zitnik博士は、機械学習を使用して、すでに市場に出回っている薬物やCovid-19の治療に転用できる臨床試験で利用可能なデータをバラバシのグループが調査するのを支援しました。

研究筆頭者バラバシ博士は次のように述べる。
「他のすべての研究者が、すぐに候補となる薬剤を構築して研究できることを可能とするために、新たな結果が出た場合には、すぐに研究を公開します。新しい薬剤候補の分野で進歩を遂げることが差し迫って必要となっており、今は、既存の学問や既存のビジネスに妨げられている場合ではないのです」

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