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マスクを信奉する日本人。その騙されやすさが新型コロナを殺す?

マスクを使った感染予防に関して、WHO(世界保健機構)は「健康な人がしても効果がない」と否定的な意見を述べています。人気メルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で世界的エンジニアの中島聡さんも、これまではWHOと同様の見方をしていたのだとか。しかし、最近になって、社会全体としての効果は大きいのではないかと思い始めたと言います。どういうことか。中島聡さんが幼少期の体験をもとに解説してくれています。

役に立たないはずのマスクが役に立つ?
イタリアや米国と比べて日本で新型コロナの感染者が少ない理由については先週も書きましたが、マスクの着用もその理由ではないかと思い始めました。

マスクを使った感染予防に関してはWHOも「健康な人がしても効果がない」と否定的で、私もこれまでそんな見方をしていました。

しかし、よく考えてみると、社会全体としての効果は大きいのではないかと思い始めました。

医者はトイレの「前にも」手を洗う
話は私が小学校の時に遡ります。夏休みに、九州の佐世保にある叔父の家に1週間ほど滞在した時の体験です。

叔父は自宅の一部で開業医をしており、私の従兄弟にあたるそこの長男も医者を目指して東京の医大に通っていました。夏休みということもあり、彼も実家に戻っており、年の離れた私と遊んでくれたのです。

その家のトイレの前には洗面器に入った消毒液が置いてあることに気がついた私が、「何のためにあるのか」と彼に尋ねると、「これはトイレに入る前にも洗うためだ」と言うのです。

私が「手はトイレの後に洗うんじゃないの?」と言うと、彼は笑って「他人に自分の病気を移したくない場合はトイレを使った後に洗うべきだけど、他人の病気を移されたくないなら、トイレを使う前に洗うべきなんだ。うちは病院で病気の人がたくさん来るから、トイレを使う前に手を洗うことが大切なんだ。」

一般人が騙されることで公衆衛生は守られる
私が不思議そうな顔をしていると、「学校では、トイレを使った後に手を洗いましょうと教わったんだろ。それはね、その方が社会全体にとって良いことだからなんだよ。それが自分を守ることになると勘違いしている人が多いけど、それで良いんだ。自分のためだと勘違いしてくれていた方が、ちゃんと行動してくれるからね。」

この話は、当時小学5年生ぐらいだった私にとっては衝撃的な話でした。

多くの人が、ある意味政府に騙されているのですが、結果としては公衆衛生が守られることになっているのです。

自分を守るためのマスクが、実は社会を守っている
話を新型コロナに戻すと、一番の感染源になるのは、新型コロナに感染しながら特に症状もなく、自分が感染していることを知らずに数多くの人と接触してしまう「スーパースプレッダー」と呼ばれる人たちです。

平均すると1人の感染者は2~3人にしか感染を広げませんが、スーパースプレッダーは10人とか20人とかに感染を広げてしまうのです。

しかし、日本では多くの人たちが「自分を守るため」にマスクをしています。健康な人がマスクをしても効果がほとんどないにも関わらずです。

でもそれは決して無駄な行動では無いのです。「自分を守るために」マスクをしている人の中にはスーパースプレッダーが少なからず含まれているからです。

新型コロナに感染しながら自分でそれに気づいていないスーパースプレッダーが勘違いしてマスクをしてくれた結果、ウイルスをばら撒かないでいてくれるのです。

手洗いと同じように、このまま勘違いをし続けてもらった方が公衆衛生上、好ましいのです。

土偶
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