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パンデミックで変わる世界

感染を広げる新型コロナウイルス。アメリカでは今後死者数も伸び、10~24万人にまで上るという予測も出ています。
まさにパンデミック状況ですが、世界はどう変わっていくのか。
一人一人が数多の情報に流されず、先を読んでいくひつようがあります。

リンク より引用

>世界銀行は「パンデミック債」初適用に言及
COVID-19と名付けられ、SARS-COV-2と専門家の間で呼ばれる新型コロナウイルス。この見えない敵は、WHOと各国が把握しているだけで、3月26日現在、あっという間に42万人以上の人たちを感染させ、2万人を超える生命を奪いました。

ヨーロッパの名だたる都市は最低2週間の閉鎖・外出禁止に追い込まれ、その波はついに大西洋を渡り、アメリカ全土に広がりました。新型コロナウイルスの蔓延がアジアで叫ばれる頃、アメリカでは新型インフルエンザが猛威を振るい2万人以上の死者を出したばかりですが、今度は新型コロナウイルスの蔓延に晒されています。

先の新型インフルエンザもコロナウイルスだったのではないか?との声も聞かれますが、その真偽は別として、アメリカは2020年前半だけで数万人単位の死者を出しかねない危機的な状況に追い込まれています。

欧米諸国での未曽有の危機を受け、欧米在住のアジア人が本国への帰国を行ったわけですが、この人の移動の波が、アジアにおける大規模な感染の再拡大という最悪の事態を作り出しています。インドはモディ首相が演説で「3月25日から21日間、全土を封鎖し、生産活動を止める」という措置をしましたし、タイもマレーシアも、そして他の国々も次々と都市封鎖や外出禁止、自宅勤務の義務化などの措置に踏み出し、街中からは人影が消え、各国経済は停止状態に陥りました。

結果、世界中で20億人を超える人たちが移動の制限を受け、経済・移動の自由を奪われ、そして懸念されるのが雇用保持の危機に直面しています。日本の報道でもよく街の声として伝えられる「このままこの状況が続くと、とてもじゃないけどやっていけない」という状況がまさに今、世界中の国々を例外なく襲っています。

そして、それは世界中でのGDPへの大幅な下げ圧力となっています。それにつれ、世界的な株安が止まらず、経済活動がストップするという状況から、さらに消費者心理を冷やしていますが、そのような中、G7諸国を中心に大規模な緊急財政措置を発表し、何とかショックを和らげようとしています。

共和党と民主党の相剋が続くアメリカ議会でも、トランプ大統領が提案した2兆ドルの支援が可決されたことで市場心理を上げる効果がありましたし、ドイツをはじめとするヨーロッパ諸国が国民経済の救済策を立て続けに打つことで、何とか見えない敵と対峙する不安を払拭しようと必死です。

そして世界銀行は、2014年のエボラ出血熱への財政出動の遅れを反省して作ったパンデミック債(2016年以降すでに3億2000万ドル(約350億円)規模)の初適用の可能性に言及することで、新興国と発展途上国における対策を後押ししようとし、暴動が起きないように心理面でのケアを行おうとしています。

>ロシアが仕掛けたチキンレースとパンデミック後の世界
そして、COVID-19の世界的な蔓延は、意外なところでプーチン大統領の権力基盤の強化に役立っているとの見方もあります。その武器は彼の20年にわたる当地で築き上げてきた権力と、3月初めに仕掛けたOPEC Plusの強調の終焉です。


協調減産の下、高い原油価格(先物価格)の維持を可能にし、それがアメリカでのシェール革命を大いに後押しし、アメリカをエネルギー輸出大国に復帰させましたが、ロシア国内からの多重の不満を抑える手段として、3月1日のOPEC Plus会合の場で、ロシアは協調の終わりと増産へのかじ取りを行いました。

ロシアのエネルギー当局の読みでは、そのころ、ロシア政府が目標値としていた原油先物価格は1バレルあたり42ドルであり、協調減産の終焉により40ドルほどまで下降すれば、40ドルを下回ると採算が取れなくなるアメリカのシェール企業に痛手を与えることが出来ると踏んだようですが、ここで予想外にもサウジアラビアが大幅な増産を行ない、他のOPEC諸国も増産で追従したことで、原油先物価格は1バレルあたり20ドル弱にまで下がりました。

この結果、アメリカのシェール企業は操業を中止しましたが、同時に増産と原油価格の著しい下落は中東諸国のオイルマネーの引き上げという2次的なショックももたらし、それがコロナウイルスの蔓延で生まれていた市場への不安と相まって、一気に全世界株安に導くきっかけとなったことはこれまでにもお話ししましたが、これはサウジアラビアとロシア双方にとって、血を流しながら行うチキンレースとなってしまっています。


結果、サウジアラビアでは、ムハンマド皇太子への王位継承のタイミングが遅れるという政治的なリスクを増大させ、ロシアでは憲法改正によって強固になったはずのプーチン大統領の権力基盤の維持のために用いる財源を枯渇させるという恐れを作り出しました。

それにも関わらず、まだこのチキンレースは終わる気配がないのですが、この困った事態で両リーダーが用いた『言い訳』が「新型コロナウイルスの蔓延に対抗するためには強力なリーダーシップが必要」との解釈で、「だからプーチン大統領(ビンサルマン皇太子)の存在が必要なのだ」と見せることで何とか、チキンレースで負う傷のイメージを覆い隠し、ギリギリの線で権力基盤の維持に努めようとしている姿が浮かび上がります。

実際にロシア国内でも、サウジアラビア王国とその周辺諸国でも、新型コロナウイルスの蔓延は大きな恐怖を生み出していますが、その対策の財源を傷つけてでも、体制の維持に走っている危険な賭けの様相が見えます。

新型コロナウイルスの蔓延が収束した暁には、恐らくこのチキンレースで負ってしまった傷が、取り返しのつかない事態を両国はもちろん、中東地域、そして世界のエネルギー事情に大きな悪影響を与えることになるでしょう。これが、いくつかある“今、語られていないCOVID-19がもたらす国際情勢への危機の種”の1つではないかと考えています。
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