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1日50人以上「インフル死者」が日本で急増する不気味

2016年1463人→2017年2569人→2018年3325人。ここ数年、インフルエンザで亡くなる人が増えている。2019年も1~9月の集計で、すでに3000人超。統計データ分析家の本川裕氏は、「怖いのは新型コロナウイルスだけではない」という――。

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●怖いのは新型コロナだけじゃないのだ
新型コロナウイルスによる感染拡大は確かに発生地である中国湖北省ではかなり深刻な事態になっており、同じことが日本でも起きないかと心配するのは当たり前かもしれない。

新型ウイルスであるだけに、どのぐらいの影響が今後生じるのか得体が知れず、予防接種の準備もなく、治療薬も何が効くのか分からない。不安が募るのは当然だろう。

しかし、同じウイルスによる感染症であり、毎年、秋から冬にかけて猛威を振るっているインフルエンザの犠牲者と比較するとヒートアップしすぎだとも言えるのではなかろうか。

●インフルエンザによる死亡者数は、近年増加傾向にある
長期傾向をたどると、1957年の「アジアかぜ」によるピーク7735人から、1970年代までインフルエンザ死亡者数は、おおむね減少傾向をたどり、1980年代~90年代前半は、1000人以下の少ないレベルに止まっていた。

ところが、90年代後半から、大きく増加する年が目立つようになり、2010年以降は、増勢の傾向が認められる。気候変動、国際観光流動、高齢化、栄養状態、検査法など、どんな傾向的な変化と連動しているかどうか、気になるところである。

なお、近年の死亡者の8割以上は65歳以上の高齢者である。

従って、最近のインフルエンザの流行拡大に関しては高齢化が大きな要因となっていることは確かであろう。そうだとすると高齢化の進んだ国ほどインフルエンザ死亡者数は増加していることになる。

果たしてどうなのか。国際比較に目を転じてみよう。

●米国で猛威をふるうインフルエンザ
中国・武漢市から広がっている新型コロナウイルスの猛威が世界的な関心を集める中、米国ではインフルエンザの流行が深刻化している。米疫病対策センター(CDC)の推計では、19年10月以降の今シーズンで2月1日までに死者は1万2000人に達したとされている。

「米国ではインフルエンザが原因で毎年少なくとも1万2000人以上が死亡。とりわけ感染が深刻だった17~18年のシーズンには患者数は4500万人に上り、6万1000人が死亡した」(産経新聞、2020年2月8日)。インフルエンザ患者が多いのは例年5月までなので、今期のインフルエンザによる死者は、17~18年ほどではないにしろ、かなり多くなると推測できる。

●日本は「米国のインフルの流行推移」にシンクロしている
米国CDCの推計方法は、インフルエンザで入院した患者数から一定の係数を掛けて非入院者を含めた「インフルエンザ死亡者数(関連死を含む・図表のオレンジ線)」を推計するという方法で、人数的には「死亡診断書ベースの死亡者数(図表の青線)」のおおよそ10倍の値となっている。

近年の動きについては、図表3~4で見る限り、米国のインフルエンザ死亡数はやや突出して多くなっている感がある。2000年代の前半までは人口規模(約3.2億人)の割に米国のインフルエンザ死亡数は多くなく、しかも、他国の流行とほぼ連動していた。

例えば、各国とも2001年は少なく、2003年や2005年は多くなっている。ところが、2008~09年や最近の数年は米国のインフルエンザ死亡数だけが特に多くなる傾向が認められる。

重要なのは、カナダやフランスなどとともに日本も、この「米国型の流行の傾向」にシンクロしているように見えることだ。罹患しないよう、米国のインフルエンザのニュースにも留意する必要があるかもしれない。

●新型コロナだけでなくインフル封じ込め対策にも本腰いれよ
インフルエンザの死亡数は各国の人口規模の違いを考慮して、人口10万人当たりの数字を採っている。死亡数の増加は、図表3では、米国や日本が目立っていたのであるが、これは母数の人口規模も大きいためであり、人口当たりの死亡数としては、カナダ、あるいはフィンランド、スウェーデンといった寒冷国での増加が著しいことがわかる。

米国や日本も拡大することは拡大しているが、それほど目立たない。日本の場合は、高齢化の割には、インフルエンザの死亡数の増加は、むしろ程度が大きくないともいえる。

いま、新型コロナウイルスの流行を食い止める対策は緊急の課題である。

だが、犠牲者の数からいえば、高齢化の進んだ先進国では、一般的に感染拡大が深刻化しているインフルエンザの封じ込め対策についてももっと関心が払われるべきであろう。

 
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