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新型コロナウイルスの「偽情報」は、こうしてネットに蔓延する

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新型コロナウイルスに関する偽情報が、インターネットに蔓延している。

いまや世界保健機関(WHO)や米疾病予防管理センターだけでなく、FacebookやYouTube、Twitter、TikTokなどのプラットフォームを運営するテック企業にとっても重大な関心事だ。人命が切迫した危険に晒されているなか、こうしたプラットフォームはヒステリーや偽情報で満たされている。

これはいまに始まったことではない。陰謀論はおそらく有史以来、災害や疫病のアウトブレイク(集団感染)に付きまとってきた。

新型コロナウイルスは動物から人に感染したとみられているが、その正確な起源は明らかになっていない。
それにもかかわらず、中国のものとされる食習慣がパンデミックの原因になっているとして、ネット上ではその陰謀論が人種的偏見の色を帯びた炎上を引き起こしている。
いずれの陰謀論者も、「コロナウイルス」が単一の病気ではなく、複数のウイルスを含む分類であることを見落としているか、あるいは理解していなかった。いま世界に蔓延しているコロナウイルスは「2019-nCoV」と呼ばれ、残念なことに既存のワクチンやライゾール製品では治療不可能である。

もちろん、新型肺炎の起源にこだわる人ばかりではない。ほかにも新型コロナウイルスの治療法や予防法について、信憑性に乏しい、あるいは危険な偽情報が数多く広まっている。

平凡だがウイルス対策としては突飛なアドヴァイス(辛い食事や冷たい料理を避けるなど)から、ネット掲示板「4chan」に書き込まれる類の恐ろしい提案(漂白剤を飲むなど)まで、偽情報の種類はさまざまだ。いまのところ、WHOが推奨している新型コロナウイルスへの感染予防法は、畜産物を消費する前に徹底的に加熱調理すること、衛生状態を良好に保つこと、病気にかかっていそうな人から1m以上離れることくらいである。

「2019-nCoV」は新しいウイルスだが、それを取り巻く陰謀論に見られる性質は、昔からのものと変わっていない。「今回も、新しい疫病や災害が発生するたびに繰り返し見られてきたパターンに当てはまります」と、米国における陰謀論をまとめた『American Conspiracy Theories』の著者、ジョセフ・ウシンスキーは語る。危機が発生すると感情の高まりと情報不足が相まって、「大衆の恐怖心」という陰謀論が広まるには絶好の条件が整う。

「こうした災害やエピデミックの局面では、陰謀論はまたたく間にセンセーショナルで深刻なものに発展します」と、災害に関連する精神衛生やコミュニケーションを研究するブライアン・ヒューストンは語る。「陰謀論がこれほど広まりやすいのは、いまそこで起きている出来事だからです。人を殺すのですから」

しかも、クルマやサメとは殺し方が違う。コロナウイルスの恐ろしさは、科学的にもこれらを上回っているのだ。

「科学文献によると、目に見えないリスクや新しくて理解不能なリスクほど、大きな恐怖を与える傾向があります」と、ヒューストンは言う。新型コロナウイルスをよく言い表しているのではないだろうか。

新型コロナウイルスの恐ろしさに加え、その陰謀論の温床となっているインターネットには、疑わしい情報に対処する仕組みが十分に整備されていない。「インターネットは悪だ」などという野暮な批判をするつもりはない。公衆衛生上の危機に見舞われた人々が悪質な情報を受け取る光景は、おそらくそうした危機が初めて起きたときから続いてきたのだ。

そうした情報が蔓延している原因がインターネットであるとは限らない。それどころか、ほかより正確な情報を提供できる手段であるインターネットは、一縷の望みですらある。

「こうした陰謀論はインターネットのせいにされがちですが、噂というのはインターネットが出現する前から広まりやすいものでした」と、ウシンスキーは言う。「陰謀論が瞬時にネットを駆け巡ることができても、見た人がそれを信じるとは限りません」

だが、ウェブが完全に無害な存在であるかと言えば、そうでもない。オンライン上の政治的コンテクストは、新型肺炎に対する世間の反応に明らかに影響を与えた。

インターネット上の米国人を中心とする界隈では、利用者が長年にわたり外国人への排外主義やグローバリズムへの恐怖をあおってきたほか、対中関税問題が長引くなかで特定の反中感情が高まっている。事態の展開について中国政府の透明性が限られていることや、同国内のインターネットの大部分がファイアーウォールや言語の壁によって世界から孤立していることは、有害情報の拡散を止める助けにはならない。

したがって、新型コロナウイルスを巡る陰謀論は中国のプラットフォームにもともと投稿された無関係の動画や、故意・偶然を問わず誤った解釈によるものが大部分を占める。おそらく米国人の多くが訪れることもなければ、見ても理解できないサイトだ。

新型コロナウイルスに関する偽情報が広まるなか、テック企業は事実に目を向けてもらおうと躍起になっている。

フェイスブックは、新型ウイルスに関する偽情報を広めるコンテンツを削除することを約束した。ツイッターは、陰謀論を流布しているとして「Zero Hedge」をはじめとする組織のアカウントを永久凍結したほか、信頼性の高い情報を検索に優先表示する新機能を感染国でリリースしている。報道によると、TikTokの運営会社であるバイトダンスも偽情報の削除に取り組んでおり、新型コロナウイルスに関するコンテンツを検索する際はWHOの情報と照らし合わせて検証することを利用者に促している。

こうした対策にもかかわらず、「答え」を求める人々の欲求を満たすには不十分かもしれない。「偽情報は完全に構造化した状態で世に出ます」とヒューストンは言う。「事実は徐々にしか伝わりません」

いま新型コロナウイルスは、世界的なパンデミックに発展しうるほどのアウトブレイクが発生した状況にある。こうした状況下において「立ち止まって考える」という助言が情報として唯一の価値がありながらも、誰も欲していないことが問題なのだ。




匿名希望
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