FC2ブログ

マスコミが原発事故報道で腑抜けになるワケ(2)

引き続き、リンクより転載します。
******************************
もちろん、電力業界に弱いのはどのテレビ局も同じである。4月18日付毎日で鳥越俊太郎が「原発正門に立って」と題した一文を寄せ、どの新聞もテレビも政府が決めた30キロ圏、20キロ圏を突破して福島第1原発の正門前まで到達、今やゴーストタウンと化したそのエリアの様子を線量計を片手にテレビカメラに収めてきた体験を綴っている。「私が問題だと思うのは、日本のメディアがこのエリアに警察の同行以外で入って取材しないことです。......放射能となるとなぜ全員右へならえで自己規制してしまうのか? なぜ?」。自分が怖がって危険地帯には行かないというのもどうかと思うが、さらに問題は、鳥越が自分で撮った映像を放映するよういくつかの報道番組に声をかけたが「しかし『うちで放送する』と言ってくれた局は1つもありませんでした。ふぬけですね」----これは自分が被曝するという話ではないから、別のものを怖がって腑抜けになっていることは明らかである。怒った鳥越は、まぐまぐ上に新たな有料メルマガ「鳥越俊太郎の"ニュース力"養成講座(月額840円)」を開設して、そこで発信することを始めた。

●東電だけで年680億円がメディアに?
 別冊宝島の最近刊『誰も書けなかった日本のタブー』の巻頭、川端幹人「金と権力で隠される東電の闇/マスコミ支配の実態と御用メディア&文化人の大罪」がまとめているところでは、東京電力の年間の広告費は約244億円、販売促進費は約239億円、その他に普及啓発費200億円弱で、計約680億円の多くがメディアに流れている。今年3月時点で東電がスポンサーになっていたテレビ番組は、TBS系で『みのもんたの朝ズバッ!』『報道特集』『ニュース23』、フジ系で『めざましテレビ』、日本テレビ系で『情報ライブ・ミヤネ屋』『ニュースevery』『真相報道バンキシャ!』、テレビ朝日系で『報道ステーション』などで、主だった報道・情報番組のほぼすべてをカバーしている。

 東電だけでなく他の各電力の広告宣伝費も相当なもので、関西電力の広告費は199億円、販促費は59億円、九州電力は同じく80億円、112億円など。他にも、電力10社が構成する電気事業連合会(電事連)も独自の広報予算を持っていて(非公開ながら)年間300億円以上と言われているし、さらには経済産業省・資源エネルギー庁や文部科学省の原子力関連の広報費もあって、それらすべてを合算すると「原子力界・電力業界がメディアに流している金は年間2000億円に迫る。現在、広告出稿量第1位のパナソニックが771億円、強大な広告圧力でメデイアから恐れられているトヨタが507億円だから、この金額がいかに大きいものであるかがよくわかるだろう」(川端)。

 月刊『文芸春秋』最近号を見ると、3月号には電事連の「日本にはウラン資源を有効に活用できる『原子燃料サイクル』の確立が不可欠です」というカラー1ページ広告が載り、4月号には同じく電事連による「ギモンの視点(12)原子力発電から出る高レベル放射性廃棄物はいかにして処分されるのか」と題した藤沢久美(ソフィアバンク副代表)のモノクロ2ページの研究所訪問記(「研究所では数万年先までの地質現象を鑑みながらシミュレーションを行っている」だと。目先の地震も分からないくせに!)、東電提供の「世界の電力マン(19)」でカナダ・ダーリントン原発の女性広報担当官を紹介するモノクロ2ページ提灯記事が出ている。「東日本大震災/日本人の再出発」と特集を銘打った5月号には、さすがに東電も電事連も広告を出していないが、裏側では「頃合いを見て出来るだけ早く広告を復活させますから、ひとつ事故報道のほうはお手柔らかにお願いしますよ」「ま、そのへんは心得ていますから」といった隠微な会話が交わされていても不思議ではない。

●カネで固めた「安全神話」
 このようにマスコミは、電力業界の広告費・販促費漬けになっているから、個々の勇気ある記者や編集者の抵抗はあるにしても、全体としては原発の真の危険から目を背けさせようとしてきた恥ずべき歴史を持っている。

 マスコミだけではない。政治家には政治献金、官僚には天下り先、学者には研究費、地元代議士や地方政治家や暴力団には利権配分、自治体と周辺住民には電源3法に基づく手厚い交付金......と、あらゆる関係者に莫大なカネをバラ撒いて「原発は安全」という虚構を塗り固めてきたのである。

 政治献金について言えば、昨年7月29日付東京新聞他が大阪の関西消費者団体連絡懇談会の調査結果を元に「電力9社役員が自民に献金」と報じたことが記憶に新しい。

 同会は06〜08年にかけての自民党の政治資金団体「国民政治協会」への企業献金を精査し、沖縄電力を除く(沖縄だけは原発がないからね)電力9社の常勤役員全員と東京ガスの役員の多くが個人名義を装って多額の献金をしている事実を明らかにした。

 役員個人の献金は政治資金規正法上、問題ないものの、同会は「職位ごとに額がそろうなど申し合わせない限りできない。事実上の団体献金ではないか」と指摘している。実際、各社とも、社長は年30万円前後、副社長は25万円など、職位順に整序された額を毎年献金していて、これはどう見ても組織的な仕業である。非常勤も含めた判明分で、3年間の合計金額が一番多いのは東京電力だった。

 最新の『週刊ダイヤモンド』4月16日号「東電の大罪」は、改めてこのうち東電分について氏名・役職・金額の一覧表を掲げて詳しく報じ、会長・社長は30万円、副社長は24万円、常務は12万円、執行役は7万円と綺麗に揃った額で、その総額が06年=49人/570万円、07年=46人/603万円、08年=53人/654万円に達することを明らかにした。

 これは政権交代後はどうなったのだろうか。民主党にも電力労連や電機労連などの出身者を中心に原発推進派がいて「原発輸出」を軌道に乗せようと盛んに画策していたので、そちらに重点が移ったのかどうか、追跡調査が必要だ。



佐藤晴彦 
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)