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マスコミの権力(芸能界と政治の構造)

吉田繁治氏 ビジネス知識源<406号:マスメディアがもつ大衆への条件付けの権力>2019年7月27日 リンク
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■1.メディアとプロダクションの構造的な問題

【吉本興業は、タレントの闇営業を問題にした】
個人で営業することは、会社の契約を通していないので、業界では「闇営業」とされます。本人たちは「報酬はもらっていないと嘘を言っていたので、ファンにお詫びの会見をする」と申し入れましたが、会社側は「その記者会見を行うなら、全員をクビにする」とした。吉本興業の社長が、最初、問題にしたときは「闇営業」に重点があり、イベントの企画が反社会勢力だったということではなかった。

【TV局は、娯楽番組の制作には直接はかかわらないことが多い】
TV局(マスメディア)やイベントの企画実行をする会社が、芸能人個人と契約をすることは、マレになっています。このため事務所(プロダクション)との契約を失った人は、事実上、TV出演の機会はなくなります。
TV局のタレント採用において事務所との「癒着」が多いことが、まず、問題の根にあることです。
巨大になった吉本興業が、タレントを決める放送局と「癒着」ともされる強い関係をもっているのは事実です。そのベースになっているのは、接待・会食を含む「つきあい」という。

■2.大手芸能事務所とプロダクションの権力

大手の芸能事務所は、放送局と強い関係をもつので、所属タレントに「仕事を与える権力」をもつことになります。根本の原因は、TV局の編成がタレントを選び、番組を自主作成することが少ないことです。

▼放送局の事業とは何か?
放送局は、番組の内容でなく、放映するメディア(情報宅配の電波)を所有しています。いわば、商品の中身を作らない宅配業です。TV番組の収入は、コマーシャルのスポンサーから得ていて、視聴者には無料で提供します。

コマーシャルのスポンサーは広告料を、販売する商品の価格に含ませています。間接的ですが、国民は消費税と同じ形をとって、民放の視聴料を支払っています。ところが、われわれにはその意識はない。この収入と支払いの偽装的、迂回的な構造に、民放が堕落に向かうことの原因があるのです。
民法のコマーシャルによる収入は、大衆(Public)への放送メディア事業における、巧みな発明だったのです。

【パブリックという概念】
「パブリック」も、西欧では、封建地主だった貴族に対して、労働者が多くなった近代社会が、発明した社会の概念です。このPubicとのRelation作りが、PRつまり広告です。ほぼ100年前からの工業化した量産ではパブリックが買う商品の量が、個品生産だった職人の時代より圧倒的に大きくなったからです。これがPR(大衆との関係づくり)の発生を促しました。
活字の新聞のあと、ラジオから始まった、大衆に隈なく届く映像メディアは、TVの時代になって、概念を表す文字による理性ではなく、感情的、情緒的に大衆(Public)を動かす権力を得るようになってきたのです。

TVドラマも「感情を動かす」ものです。その疑似体験を得たことは個人の記憶になり、その記憶の植えつけが、マーシャル・マクルーハンが指摘した「大衆の情動を条件付ける、記憶を与える権力」をメディアに与えることになってきたのです。
TVに多く出演するタレントが、政治の選挙でも、多数の票を得るのはこのためです。政治家は、法を作り、行政を指揮する権力を得ます。その権力の源泉は、メディアが作る人気です。メディアへの出演の多さは、権力を与える人気の源泉になります。
つまり、TVの本質は、放映する映像と音声を、パブリック(大衆)に記憶させるコマーシャルです。

(1)メディアをもつ会社は「報道、放映する権利という権力」をもつこと、(2)芸能事務所やプロダクションが放映の権力をもつ、局のプロデューサーと不明瞭に癒着していることが、問題の根にあるからです。

■5.政治とマスメディアにも同じ構造がある

【政治・行政と記者クラブ】政治や行政の政策の報道でも「大手メディアと政権の癒着」が見えます。もともと、「記者クラブ」という日本特有の制度があります。メディア側が行政と協調して組織する「記者クラブ」に属しないと、会見の席には参加ができない。ニュースももらえません。

【第二次安倍政権のメディア戦略】実は、1年しか続かなかった第一次安倍政権(2006年8月~07年9月)はメディアとの関係がよくなかった。このため、政権に批判的な記事が多かった。自民が下野したきっかけは、メディアの報道と記事が作ったと考えていた安倍首相は、2012年に政権に復帰したとき、新聞・放送メディアの幹部に対して接待戦略をとりました。
年金の記録問題から、参議院で与党が多数派を失い(2007年の参議院選挙:民主党が第一党)、ねじれ国会にした第一次安倍政権への反省から、再び首相に就いたとき、大手メディアと、意識した「融和戦略」をとったのです(これは、最初、本人が言っていたことです)。

【官邸の機密費 1年に12億円】2012年からの第二次の安倍政権では、使途を明らかにしなくてもいいとされている官邸の機密費(年間約12億円:6年で72億円)を使い、「新聞・TVメディアの幹部、エコノミスト、企業のトップおよび幹部、有識者」との、頻繁な会食戦略をとっています。その目的は、メディアを批判勢力でなく、政府の広報にすることです。
野中広務氏は、盆暮れに、政治評論家に対しておよそ500万円ずつ配っていた自分の行為の虚しさを述懐しています。受け取りを断ったのは、田原総一朗氏だけだったとも述べているのです。自宅の新築費用として、3000万円を要求したメディア幹部すらいたという。なぜ政治家がメディアに、一種の賄賂を配ったのか。メディアが、政治と政策の報道、評論、評価をする権力をもっているからです。



匿名希望
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