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マスコミの経済オンチを改善しなければ、この国が確実に滅びる訳2

マスコミの経済オンチを改善しなければ、この国が確実に滅びる訳1の続き(346202)


ですが、世界の経済を動かしているのはロイターのような情報です。株価というのは、市場の事前予測の合意をベースに動きます。ですから、その予想を上回る決算であったら、株は上がるのです。ロイターの情報は、少なくとも株価との整合性があります。

一方で、日本式は、とにかく絶対評価ですから赤字だったら赤字、減益だったら減益という報道をします。ですが、株式投資という点では、全く参考にはなりません。企業経営という点でもそうです。

例えば、アマゾンという会社は、今でこそクラウドなどのビジネスが寄与して、黒字体質になっていますが、長い間「万年赤字経営」の企業として有名でした。ですが、その赤字には理由があったのです。クラウドをはじめとする、巨大な投資をしたり、市場開拓をやったり、先々のことを考えて大胆な投資を先行させていたのでずっと赤字だったのです。

ですが、その間の株価は、97年ごろの2ドルから、今はほぼ2,000ドルと「約1,000倍」になっています。仮に「赤字が続いています」というだけの日本式の報道を鵜呑みにして投資していたら、絶対にこの「1,000倍」という成長の果実を共有することはできなかったわけです。
ちなみに、今回は通信社さんの報道を取り上げましたが、実は日本の通信社というのは、全国紙と同等以上の頭脳集団です。一人一人の記者は独立してジャーナリストとしても通用するレベルの人材ばかりと言っていいと思います。ですから、こうした記事が出るというのは、記者の能力ではなく、とにかくそのような「昔からの束縛」があるからだと思います。それが問題だと申し上げているのです。

日本の個人金融資産は、よく「塩漬けになっている」とか「タンス預金になっている」と言われます。そのために、日本ではベンチャーのスタートアップ資金など、「ハイリスク」のマネーが枯渇しているのです。大変な問題です。この点に関しては、日本の個人金融資産が、高齢者の年金、つまり生活資金になっているのでリスクが取れないということがよく言われます。
確かにそうなのですが、これに加えて「経済報道が全くトンチンカンなので、リスクを取って投資をするということが広まらない」ということも言えると思います。

先ほど、日本の個人金融資産はタンス預金になっているとか、リスクを取るマネーがないということをお話ししましたが、その一方で、リスクを取った投資をしている資金もあります。GPIFつまり日本の年金ファンドです。

この資金は巨大で、運用資産額は140兆円に及んでいます。米国の年金ファンドと並ぶ、世界最大の機関投資家と言われています。その投資内容は株です。それこそ、アップルとかアマゾンなど米国の大型株を始め様々な銘柄に投資をしています。

このGPIFに関する報道も奇々怪々と言わざるを得ません。例えば、2015年度には、運用実績がマイナスとなり、「5兆円超の損失」が出たという報道がありました。「5兆円」という数字はショッキングであり、その数字だけを真に受けた、当時の野党の民進党は「年金損失5兆円追及チーム」などというものを結成して大騒ぎをしていました。

ですが、この報道に関しても、運用資産の総額が当時でも130兆円あったことを考えると、5兆円といっても「マイナス3.8%」に過ぎないわけです。要するに、母体の大きさを報道しないで、損失の幅だけ騒いでもバカとしか言いようがありません。

報道を聞いて「5兆円の損失?、そりゃ大変だ」と驚き「これで内閣を追及できるぞ」と思った野党もバカですが、そもそも報道に問題が大ありなのです。

そもそも政府系のGPIFがどうしてグローバルな株式投資をしているのかというと、中長期的には人口減と国際競争力喪失に直面している日本経済だけに、日本の将来の年金を委ねては、中長期にわたって年金を支えられないからです。
仮に、20年後にドル円相場、あるいは人民元と円でもいいですが、円の価値が下がって、例えば1ドル=220円になったとします。その場合に、グローバルな株に投資していれば、株価上昇が仮にゼロでも、円建てではファンドの総額は200%になります。ですから、少なくとも国民の老後を支える年金は、日本経済衰退の影響による目減りを少なくすることができるわけです。

その代わり、GPIFにはリスクが伴います。2015年には確かにマイナス5兆円になっていますが、その後16年にはプラス8兆円、17年度にはプラス11兆円と確実に運用益を上げているのです。

もう一つ言えば、そのように順調に運用益が上がっている時には、報道がされないのも問題と言えるでしょう。
とにかく、日本の経済報道は、もう少しレベルアップしないといけないと思います。経済専門の新聞や雑誌にも相当な改善が必要ですが、とにかく一般メディアの経済ニュースについて、ちゃんとしたテコ入れをしないと、例えば政治の選択における世論形成なども歪んでくるのではないかと思うのです。



直永亮明
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