「今の日本のマスメディアは私たちをなめてる」。22歳の編集長が「タブーの存在しない雑誌」を作った理由


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◇ 自主規制の多い、日本のマスメディアがだめな理由。

~最近のマスメディアは、面白くないし、自主規制しすぎだと思う。芸能人のゴシップよりも、もっと発信することがあるって思うし、視聴者をなめてるって感じる。あと女性誌で“モテるための特集”を本気でやっているとしたら本当に馬鹿げているなって思う

 インディペンデントマガジン「HIGH(er) magazine(以下ハイアー)」の編集長を務めながら、東京藝術大学に通う22歳の学生haru.。彼女に最近のマスメディアについての考えを聞いてみたら、こんな答えが返ってきた。マスメディアは広告主が気に入るものを意識し、売り上げや視聴率を気にして伝えるべき内容よりもただ読者の興味を引きそうな情報ばかりを発信しているということだ。

◇ 読者に一切媚びないインディペンデントマガジン「HIGH(er) magazine」

 haru.が率いるハイアーは、彼女やその他のメンバーのまわりにいる「まだスポットライトの当たっていない面白い子たち」を紹介するインディペンデントマガジンとして始まった。
(中略)
 そんなハイアーにharu.たちが創刊から一貫して込め続けている想いは「常に自分たちに正直であること」で、彼女たちが「常日頃考えていることや疑問に思うこと、一般的にはタブーとされること」を発信し続けている。

(中略)

~自主規制してたら、インディペンデントでやってる意味がない。だからバッシングされようが、政府に圧力をかけられようがこれは本当に変えたくなくて。だから広告とか入れないっていうのもそうで、ブランドとかと考え方が合わないっていうのもありそうだから、だったら入れないでずっとやって行きたいな。そうするのは金銭面では大変だけどね

 このように彼女たちは自主規制せず、読者が喜ぶことを追求するのではなく自分たちの好きなことを発信してきた。またよっぽどのことがない限り、広告を入れるつもりもなく、雑誌や民放テレビとは正反対の姿勢で、ただ自分たちのやりたいことを貫いてきている。

(中略)


◇ SNSでも「言いたいことをなんでも言っちゃう」スタンス

(中略)

彼女は日本人の多くがタブー視したり、気難しいものとみなしたりしている政治の現状の“やばさ”を長らく感じていて、そんなことも「みんなで考えられるオープンな場」を作りたいと考えていた。だから「政治は堅いもの」という見方を少しでも変えられるように、ハイアーではファッションや音楽と同じ目線で政治も扱っているという。そうすることで、政治にまったく興味がなくてもファッションや音楽の特集に惹かれてハイアーを手に取った人の目にふと政治の話が入って、世の中の情勢や政治を知るきっかけとなるかもしれない。

◇ 「自分の考えを嫌でも言う習慣」ができたドイツでの生活
 
 haru.のバックグラウンドには、小学2年生からの2年半と高校の4年間*1のドイツ生活がある。ドイツでは日本と異なり、どんな小さなことに対しても自分の意見を発することが求められる。例えば、何を食べたいか聞かれたとき「なんでもいい」とか「どっちでもいい」は答えにならないのだ。

~常に自分だったらどうかなとか、自分だったらどっちかなとか考えることが日々あった。クラスではディベートみたいなのが自然に起きる。先生が質問を投げかけたら意見が飛び交う状況に慣れていたから、日本に帰ってみんなが授業中に全然喋らないことにびっくりして。今日も先生に「どう思う?」って聞かれたから、「ああ、意見求められている」と思って、授業中にすごく喋っちゃって。私はたくさん喋るんだけどみんなは静かだから、先生と個人授業みたいになっちゃう(笑)

~ ウェブでは記事を公開しない。あえて紙にしてる。紙なら物としての安心感があるし、存在感と責任感があるし。もう顔とか自分たちの恥ずかしい部分まで出して、うちらが作っているよって見せて、言ってることに責任持ちたい。それでいて、いつでも読者のそばにいたいという感覚がある。紙媒体という物としてそばにいたい。ほんと自分を全部出しているからウェブで出したら魂が崩壊しそう(笑)

◇「家のトイレに置いてあって、家族みんなで読む雑誌にしたい」

 ハイアーについてharu.から意外な言葉を聞いた。それは、感度が高くておしゃれな若者たちが作っているにもかかわらず、媒体をアンダーグラウンドなものにはしたくないということ。しかも自分たちの恥ずかしい部分までさらけ出し、「ダサさ」を内包することで親しみやすさを読者に感じさせているのだ。

~ なんか若い女の子が作っている女の子向けの雑誌って紹介されがちなんだけど、自分たちではあまりそう思ってなくて、年上の人たちにも読んでもらいたいし、男の子にも読んで欲しい。

(中略)

 日本社会では政治や性など、人間が社会で生きていくうえで知っておくべきことがタブー視されているため、それらについてメディアが自主規制して報じないことが多い。そこでハイアーという「規制なく自由に話せるプラットホーム」に人々を巻き込んでいくのが編集長のharu.を中心とするハイアーのメンバーたちだ。
 彼女たちのような影響力を増している若者たちが「普段口に出さないこと・タブーとされているもの」を自然体で誌面やSNSに出すことで、それらが読者の日常に馴染んでいき、彼らを呪縛するタブーの意識を少しずつなくしていくのかもしれない。





大森久蔵
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