【バズマーケティング】「ジャポニカ学習帳から虫が消えた」騒動は“つくられた”ものだった

「バズ」とは口コミを意味するマーケティング用語です。口コミを活用したマーケティングをバズマーケティングと呼びます。(ウィキペディアより)

 「本人が手の内をバラしていいのか?」と思いましたが、こうして再度情報が拡散していくところまでが広告なのか?と考えると紹介するのも複雑な気持ちです。

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「ジャポニカから虫が消えた」騒動は“つくられた”ものだった(リンクより転載)


「ジャポニカ学習帳の表紙から、虫の写真が消えた――」

 2014年末に世間を騒がせたこの出来事をご記憶だろうか。「ジャポニカ学習帳」は文具メーカー・ショウワノートのロングセラー商品。これまで12億冊以上売り上げている国民的ノートのひとつで、「濃い緑色の縁取りとカブトムシやチョウの写真のアレ」といわれれば、多くの人が思い描くことができるはずだ。

 2014年11月、産経新聞が同ノートの昆虫の表紙が廃止になり、花の写真に差し替えられていたことを報じると、インターネットを中心に大きな議論が起こった。廃止された理由のひとつが「昆虫は気持ち悪いというクレームが増えたため」だったからだ。

「昆虫が見たくないからって排除していいの?」「社会的な寛容性が損なわれている!」「確かに、あの昆虫のアップは気持ち悪い」……SNS上では賛否が飛び交い、有名人がリツートしたり、マスコミが追加報道したりすることによって、この騒動は多くの人が知ることとなる。つまり、「バズ」ったのだ。

 これを受けて販売元であるショウワノートは、昆虫が表紙のジャポニカ学習帳を復刻。5冊一組3000セットが予約開始から24時間で完売した。

 だが、一連の騒動には興味深い点がある。実のところ、ショウワノートが昆虫の表紙を廃止したのは2012年。産経新聞が報じたのは2014年で、2年間の空白がある。

 たまたま新聞記者が気づき、記事にしたのだろうか――。それは違う。そこにはある仕掛けがあった。

            < 中 略 >

●なぜジャポニカはバズったのか

 ジャポニカ騒動が起きた2014年末の約半年前、上岡氏はショウワノートからある依頼を受けた。

「来年、ジャポニカ学習帳が発売から45周年を迎えるので、このことをPRしてもらいたい」

 一般的にPRとは、商品などの情報をマスコミに送り、番組や記事で取り上げるよう働きかけたり、CMや記事広告を製作・公開したりといった広報活動を指す。この依頼を受けた時のことを上岡氏はこう振り返る。

「ジャポニカ学習帳といえば、日本人の多くが知っているブランド力のあるノート。すでに知名度が確立されているということはPRをするうえでもこの上ない強みです。そこで『ジャポニカというトップブランドはいかに築き上げられたのか』というストーリーを中心にPRするだけで、新聞などに取り上げてもらえる可能性は高いと感じました」

 しかし、上岡氏はそれだけで満足しなかった。ブランドヒストリーだけでは新聞記事になることはあれど、世の中を賑わす大きな「うねり」にはならないと考えていたからだ。

「必要なのは、人々の『共感』を引き出すストーリー。そこでヒアリングを続けていくと『ノートの表紙から昆虫が消えた』という話が出てきたのです。私自身、この話には驚きましたが、同時にこのPRにおける切り札になると確信しました。そして2014年11月、産経新聞の記者がショウワノートの社長を取材するために来社。取材目的はブランドヒストリーでしたが、その際に昆虫の表紙の話を意図的にお伝えしたのです」(上岡氏)

            < 中 略 >

「PRを仕掛けて数日たったある日、SNSをチェックしているとジャポニカ学習帳についての投稿が拡散されていることに気づきました。元をたどっていくと、芸人の星田英利氏(元ほっしゃん。)による『昆虫が気持ち悪いってどうなの?』という意味合いのツイート。これが起爆剤になり、虫の表紙の一件は一大論争に発展したのです。ついに来た、と思いました」(上岡氏)

            < 中 略 >

最終的に上岡氏の戦略が生み出したPR効果は広告費に換算して3億円前後。これをほぼゼロの予算でやってのけた。

            < 中 略 >

「共感に基づいたPRの可能性は無限大。ほとんど予算がかからないため、中小企業や、極論、個人もこの方法論を使ってPRを仕掛けていける。これからもますます面白いPRが生まれてくるはずです」(上岡氏)




瀬部倫一郎
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