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シリーズ「買われた記事」その2~「国の看板」でビジネス③ 電通のビジネスの仕組み

ワセダクロニクルは、早稲田大学ジャーナリズム研究所(所長:花田達朗)のもとに作られた非営利の調査報道メディア。
その次の記事を以下紹介します。
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山口医師がもっとも驚いたのが、電通PRの社内リポートにあった「一企業の取り組みが、国が推進する健康運動を支援・準拠した、より意識の高い取り組みとしてアピールすることができる」「自社(顧客企業)製品が活用されるようになることを狙います」[注29]という記述だった。つまり、「国の看板」を利用して特定の企業の製品を宣伝する、という仕組みに驚いた。

「『健康日本21推進フォーラム』は、日本医学会の会長を務める高久先生という偉い人が理事長なので、信用していいんだろうなと思った。だまされたな」

バイエルホールディング広報本部医療用医薬品部門広報の三好那豊子部長は「バイエル薬品は電通関西支社に対して、心房細動患者さんが脳梗塞予防のために適切な医療を受けていただくための疾患啓発活動を依頼しましたが、当該取引内容の詳細については企業秘密のため、回答は控えさせていただきます」と回答した[注30]。

いったいどうなっているのだろうか。

「理事長をやめたい」

では「健康日本21推進フォーラム」のトップ、理事長の高久史麿氏は実態を把握していたのか。高久氏は日本医学会会長を務める 医学界の重鎮だ。

2017年1月30日、東京都文京区にある日本医学会の会長室を訪れた。

【動画】日本医学会会長へのインタビュー
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私たちが「フォーラムのことをお聞きしたい」と切り出すと、高久会長から意外な答えが返ってきた。

「理事長はもうやってないです。推進フォーラムは潰れたって話はまだ聞かないけども、会合が全然なくなっちゃったですね。自然消滅したんじゃないかな」

え、やってない? フォーラムのホームページには高久会長の名前が理事長としてはっきり載っていますよ[注31]。

フォーラムが作成した[注32]抗凝固薬の報道用資料を高久会長に見せた。

資料を一読した高久会長はいった。

「確かにこれは(製薬会社の)バイエルの宣伝になりますね、明らかにね」[注33]

「(報道用資料に)勝手に僕の名前を使って。迷惑な話だ」

「(理事長を引き受けた時は)電通がね、半分ボランティア的にフォーラムの事務局をやるんだと思って、そんなに商売に利用するとは思わなかったですよ」

高久会長はそういって左胸から携帯電話を取り出し、私たちの目の前でフォーラム事務局に電話をかけた。電話は留守電になった。

ーー医療をテーマにした記事でカネが動き、記事として読者に届くことを、医学会長としてどう思いますか

「そういうことは、非常に問題だということ、声明出すことはできますよ。ただ、それをやってるのが僕が理事長のところ。そうすると、自分がやってることにけしからんということになっちゃう」

高久会長は、理事長職をやめる、と語った。そのための内容証明郵便の出し方を私たちに尋ね、「翌日にも発送する」といった。

「フォーラムが特定の薬品を推薦している。理事長の私も知らないことで責任とれないから、理事長をやめさせてくれっていう」

会長室を引き上げる際、高久会長はもらした。

「電通も、ひどいねえ……」

翌日、高久会長からワセダクロニクル編集長にメールがきた。

ほかの理事からもう少し様子をみるようにいわれ、今すぐの辞表提出は思いとどまったという。

=つづく



志水満
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