fc2ブログ

tele-visionというblackboxの存在理由と我々との関係 さあ現実の砂漠(厳しい外部世界)へ PART2

PART1の続きです。
またTVの中の世界、もっと言えばテレビ局自体、我々が存するこの現実世界とは“位相”が異なる (生放送においても虚構的性格は言えるから時差的なものだけではない)別世界=Utopiaなのであろう。その国は“芸能人や業界人”という特別な資格(Passport)を有する者でなければ入国する事は出来ない(だからテレビ局の入り口の警備が厳重なのだ!)。そしてその中では、大道具、小道具、音声、照明といったそのUtopiaを作り上げているのである。出演する芸能人達はその国の住人を演じ(文字通りactor)、TVを通して我々の現実と接触する。
人々がこの日々厳しい、不全感の充満する現実界からテレビの中の生ぬるいUtopiaに憧れを抱き、歌手や芸能人志向が高まるのも無理のないことである。しかしそんな彼らもその夢が叶えばいずれ気付くだろう。TVの中のUtopiaはあくまでもこの現実界に対しての代償充足の役割であって、その中で演技をする自分自身はなんら充足しない事を。何故ならテレビの中の自分はほんものの自分であり、fictionの登場人物であるという二重化によってさらに倒錯するからである。
さらに決定的なことはTVに主体なるものは存在しない事だ。演じている側も見ている側もいなくてもテレビの映像は流れ続けるし、TVの対象としているものは具体的な私達でなくて、統計としての均質化された人間の総体であり、非現実的な架空の主体である。問題はTVがそのチャンネルにつけられていることであり、あえて言うならばテレビの主体は物的な意味においての“TVそれ自身”であり、この事からも自己完結性がうかがえる。
そしてその情報を一方的に受け取らされる我々は現実/虚構を混同させられてしまう。
マスコミは独占的な共認支配を行使して、我々に唯一の解を押し付ける(選択権の剥奪)。つまり、同一の自己の複製(コピー)を作り出し、そのウィルス的な増殖によって適応不全態へと退化させ、この強制的な認識は今や我々の認識さえも支配し、堕落と倒錯へと導く。
しかし、現実は様々な要素が絡み合い複雑化しているため、唯一の解で解決可能なものではなく、特殊解も存在する。つまり進化の源泉である多様な同類他者(双子)を作り出す必要があるのだ。つまり共認することができる相手をつくらなければいけない。その運動は既にこのるいnetによって起動している。
しかしこの共認において、誤った仕方をした例としてテレビの作り上げる同一の自己(copy)に関して上記のアメリカ同時テロ事件においてTVの果たしたもう一つの役割が注目に値する。このテロ事件=厳しい外部世界(外圧)に直面した後、アメリカはその後nationalism(共認)に急速に傾斜していくが、それを強く促したのがTVである。個人の具体的な死は提示せず、その死を匿名化し何千人という総体だけを示したり、犠牲者の家族をstudioに呼び犠牲者の人柄や、半生をDocumentで綴る番組や、救助する救急隊にカメラを当て英雄として捉え放送したりと、現代の宗教的な役割を果たした。この絶対的ドグマ(非現実世界に暫定する唯一解)によってテレビは現実世界へ足を踏み出したアメリカ(国民)をまたもや非現実世界へと連れ戻す事に成功する。現代のmediaは人々を教会に導くことなく、TVという武器を用いて各家庭の居間にまで出向きその布教活動を展開する。そして疲れ果て、TVの前で警戒を解放している人たちの心情を蝕んでいくのである。
 しかし、これまで傍観者としてTVに釘付けになっていた我々日本人は未だにこの危機的状況について気付いていない。(るいnetの人達は勿論気付いているが)

現在の我々とTVの関係はM.ブーバーの言う“私とそれ”であり、自分から見てテレビは外から見るもので、対象化しているものであり、単に経験するのみで、最初から期待しないので、疲れもしない=傍観者。これまでの私権時代はそれ(単なる代償充足としての手段)でよかった。しかし冒頭で述したように、我々の潜在思念は変化してきた、今我々の求めているものは“私とあなた”の関係であり、多くの投稿にあるように前者に比べ非常に疲れる、それは本当の自分が全人格を懸けて向かい合う関係(共認)であり必然なのである。
現在のテレビの存在理由は私権時代が消滅したあとの後遺症であるといえる。それがまだ継続しており、我々は 早く現実界の砂漠へ足を踏み出し、その砂漠の砂に足を取られる感触を体感(自らが存する現実世界を体感)しなければいけないのである。それが実現したときテレビという現実を忘却し、虚像化し、その毒性を撒き散らすblackboxの必要性=存在理由は必然的に消滅するだろう。



桶皮竜希 
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)