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【書籍紹介】電通と原発報道」~広告代理店のメディアに対する圧力の実態①

著者、本間龍氏の外国特派員協会における講演内容です。著書の紹介のほか、大メディア・広告代理店・クライアント(大企業)との関係を暴露する興味深い内容を紹介します。

リンクより一部抜粋、引用します。
=====引用開始
拙著はみなさまよく御承知の日本最大にして、単体では世界第一の広告代理店、電通と国内第2位の博報堂というメガエージェンシーを中心とした広告代理店が、原発の報道にどのような影響を与えてきたか、またこれら広告代理店の業務がどのように行われているかを私の経験をもとにお話したいと思います。

事故後しばらくの間、原発事故の報道をつぶさに見ていたわけですが、当時日本のマスコミは、事故の重大さをほとんど伝えませんでした。その理由を考えた時に、電力会社の広告費に大変依存していた日本のメディアの体質に大きな問題があったということを再認識して、そしてそこには私が在籍していた広告代理店というものが非常に密接な関係を持っていたということを考えて、『電通と原発報道』を書こうと思いました。

原発関連広告や事業を多く受注した電博(=電通と博報堂)の役割は、単に広告を制作するだけではありませんでした。彼らは、クライアントの危機管理も請け負っております。常にクライアントに不利益になるような報道に目を光らせています。
そして、ひとたび何かの事件や事故が発生した場合、ただちにメディアに対して、「そのようなニュースは流さないでほしい」という『要請』をいたします。そして、『要請』を受けたメディア側は、そのクライアントの広告の出稿料に応じて、手加減などを加えるかどうかというようなことを決定していく・・・というのが日本のメディアの現状であります。
つまり、日本におけるニュースの報道の基準というものは、広告出稿料の多寡に比例していると言っても過言ではありません。

こうしたメディアの対する『要請』は、当然ながら広告出稿料を背景にした圧力にほかなりません。そうしたクライアントに対する過剰なサービスが日常化し、ことの善悪に対する判断能力をマヒさせた結果、原発のネガティブ情報を悉く抹殺して、メディアの過剰な自己規制を生じさせる原因となったのだと思います。

では、なぜ電博にそのような『要請』がメディアに対してできるのでしょうか?それは両社で合わせて日本の広告費の7割のシェアを占めているからです。とくに電通のシェアは5割近くで、「電通の期限を損ねると、明日から広告枠を埋めてくれないのではないか」という恐怖感があらゆるメディアに過剰な自主規制を生ませているのです。

そこには日本人特有の無責任者が、「会社としても電力という大手クライアントの機嫌損ねたくない、売り上げを失いたくない」という保身の論理が働いていました。そしてそれがメディアをも縛って、反原発報道を圧迫して、電力会社の増長へと繋がったのだと思います。
みなさんよく御承知のとおり、報道機関は権力を監視する第4の権力と言われているんです。しかし日本の場合、それが権力側ではなく国民を監視するという意味だと指摘される方もいます。私は、広告代理店は夢を売る会社だと思って18年間働きましたが、こと原発のPRに関する限り、電博は自らの影響力の大きさの自覚が無い、金銭獲得以外に目標が無い第5の権力ではないかと感じるようになりました。
(中略)
この体制が温存されるかぎり、またいつの間にか原発推進勢力によるプロパガンダが息を吹き返す危険性があることを、私は大変憂慮しております。それを防ぐためには、広告代理店は、今後二度と原発関連の広告を制作しない・関わらないというような、真摯な反省が必要なのではないでしょうか。

ところが、日本の大手メディアは電博の逆鱗に触れることを恐れ、今お話したような私の問題提起を国民に紹介することを避けています。ほかに類焼がないのに大手メディアで本書がほとんど紹介されない事実がそれを物語っていると思います。しかしながら、私もかつてその一員として無自覚に推進側に身を置いていた者として、この事実はこれからも訴えていかなければならないと思います。

=====つづきます



ムカシ若者
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