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日本企業はなぜ勝てないのか?という問いの罠。ここでの日本企業はもはや日本企業とは言えないという前提のすり替えが行われている。

内田樹氏のツイッターからの紹介です。
日本企業はなぜ勝てないのか?という問いの前提そのもに、グローバル企業に都合よく刷りかえられた理屈が潜んでいると言う主張です。当たり前に信じている前提条件を疑う事がいかに重要かを教えてくれます。

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@levinassien:

車内である雑誌の原稿を書きました。「日本はなぜ勝てないのか?」というお題。あのね・・・これが「日本企業はどうして世界市場でトップシェアをとれないのか?」というふうに読み替える人は、その段階でもうグローバリストイデオロギーに取り込まれているんですよ。

この問いは「世界の国民国家はそれぞれの国益を最大化するために命がけの競争をしている」というのが前提にあるから出てくるわけですけれど、そんなことを不可疑の前提にしていいんですか?

実際にはこの問いから導かれる実践的な第二の問いは「では、どうやって国際競争力のある企業の製造コストを国民国家が負担して、彼らの収益を増大させるか?」という話に一気に矮小化されるわけですから。

でも、グローバル企業って、経営者は外国人、株主も外国人、社内公用語は英語、従業員も外国人、生産拠点は海外、法人税の納付先はタックスヘイブン。別に「日本の企業」じゃないんです。

「日本の企業」というのは国民経済内部的な存在です。だから、最優先課題に「どうやって1億3千万の同胞を食わせるか」を掲げている。どうやって雇用を増やすか、どうやって雇用条件を引き上げるか、どうやって地域経済を潤すか、どうやって国庫に法人税を納めるか、それを考える企業のことです。

そういう「日本の企業」のためなら、国民国家はその資源を割いて支援すべきでしょう。同じ目的なんだから。でも、今のグローバル企業はそうじゃありません。グローバル企業は製造コストを国民国家に「外部化」するために、国民国家を利用しているだけです。

新幹線や高速道路を作らせて流通コストを外部化する。原発を稼働させて製造コストを外部化する。有害物質を排出して環境保護コストを外部化する。「英語が話せて、辞令一本で海外に赴任して、月300時間働いて、最低の賃金を甘受する」若者を「グローバル人材」と称して人材育成コストを外部化する。

国民国家はうまく使えば、グローバル企業にとって「使い勝手の良い」装置です。国民国家の成員が「お国のため」に奉仕する気概があり、勤労・納税の意欲が高く、遵法精神に富んでいる方がそうでないよりもコストの外部化がしやすいですから。

だから「企業が収益を上げることが国益の増大なのだ」というロジックは彼らの生命線なのです。そのために「日本はどうしたら勝てるのか?」という問いを立てる。それは「私企業の収益を上げるために、あなたがたはどこまで『外部化されたコスト』を負担する気があるのか?」という問いに他なりません。

だから「企業が収益を上げることが国益の増大なのだ」というロジックは彼らの生命線なのです。そのために「日本はどうしたら勝てるのか?」という問いを立てる。それは「私企業の収益を上げるために、あなたがたはどこまで『外部化されたコスト』を負担する気があるのか?」という問いに他なりません。


きっちょむ
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