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張子の虎

戦後から1960年代までの、中国(中共)の国営放送や新聞は、アメリカのことを盛んに「張子の虎」と呼んで、共産党が指導する自国を鼓舞していました。つまり、アメリカという国は、見かけは虎のように強そうだが、実態はもろい国であるという例えとしてそう呼んでいた。しかし、その当時の中国とアメリカの経済力と軍事力からいえば、どう見てもアメリカの軍事・経済力は、はるかに中国を凌駕していた訳で、弱体な自国体制を糊塗するための犬の遠吠えに近かった。
ソ連崩壊による「冷戦の終焉」と、「社会資本主義」なる市場社会を目指す中国の変質により、今や世界で唯一の超大国になったアメリカは本当に怯えるほど強いのか。
確かに兵力141万人、年間国防予算3827億ドル(約42兆円日本の国税収入に匹敵、‘03年)という軍事力は、圧倒的である。またGDPも10,4兆ドル(約1140兆円)の超経済大国である。
しかしご存知のように、アメリカ経済の実態は双子の赤字に象徴される超借金大国である。
年間財政赤字は5210億ドル(約57兆円、‘04)、貿易赤字は4894億ドル(約54兆円’03)(特に‘04年は対中国の赤字が日本をはるかに上回る1240億ドル)と、いずれも日本の年間税収入を上回る規模である。そしてこの赤字を埋め合わせしているのが、主に日本とEUが購入している米国債券である。にも係わらず、米国民の貯蓄率は‘95年の4,7%からどんどん低下して今や僅か2%である。
一方建国以来、この国はアメリカ原住民、メキシコ人、カリブ海諸国、ハワイ、フィリッピン、ベトナム、ニカラグア、イラク、と大量殺戮を繰り返している。
要するにこの国は自らの野放図な消費欲望を満たすため、「独裁者からの解放、自由、人権」の美名の下、資源確保と市場確保という邪心を軍事力で押し付けて来た国であると言っていい。しかもその消費と邪心のつけである大量借金を返す金を地道に蓄えようとは殆ど考えず、いずれ高度な国際為替・金融取引のテクニックを駆使してチャラにしてしまおうとぐらいに考えている節がある。

しかし永遠に借金を増やし続けることなぞ、もちろんできるわけが無い。
日本もデフレと円高防止で大量発行した国債の価格が、今度は景気回復の兆しの中で金利上昇すれば、一気に下がる可能性がある。これはアメリカも同じ構造。つまり景気回復のために発行した国債の価格維持のためには、景気回復が障害になるというジレンマにはまっている。
また、国債の利子を返すために又国債を発行することになる。
結局アメリカにとどまらず、今のこの市場経済は、蛇が自分の尻尾から自分の身体を食べているようなもので、破局に向かって自暴自棄に陥っているごとき様相である。
そうなっては、当然軍事力も維持出来ずまさに「張子の虎」である。
市場飽和による大量債権発行の結果、実態生産取引をはるかに上回る金融資産が、利潤を求めて世界を駆け巡るバクチ経済は、いずれ破局を迎えることは避けられない。恐らく世界規模での混乱が起きるであろう。
そのとき、日本も一緒に沈没するか、それとも市場社会の私権原理に変わる、新しい共認を獲得した者達で生き残りを図れるか、その日の到来は以外に近いのかも知れない。
ということは「何で屋」活動による新しい共認の場を広める運動も、そうそう悠長にはしていられないのかも知れない。



庄恵三
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